開講学期 2008年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 情報工学専攻
対象学年 1
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 知能システム学特論
単位数 2
担当教員 渡部 修、須藤秀紹
教員室番号 須藤:V616
渡部:V503
連絡先(Tel) 須藤:0143-46-5431
渡部:0143-46-5421
連絡先(E-mail) 須藤:suto@csse.muroran-it.ac.jp
渡部:watanabe@csse.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 須藤:火曜日 15:00-16:00(V307にて実施)
渡部:火曜日 17:00-18:00(R308にて実施)
授業のねらい  本講は,人工的あるいは生物学的な「システム」が持つ「知能」の計算理論,およびその実験手法を教授するものである.本講が対象とする学問領域は,人工的な知能システムでは機械学習・認識・推論・意思決定など,生物学的な知能システムでは脳科学・心理学・神経回路モデルなど多岐にわたる学際的なものであり,またいずれも新たな知見が続々と集積されつつある現在進展中の分野でもある.よって本講では,このうちのいくつかのトピックについて,最新の研究動向の紹介なども交えながら,現在得られている知見とその研究手法を修得する.
 特に前半では,脳機能の研究のみならず,画像表示やユーザインタフェースの研究・開発等においても重要となる心理物理学とその方法を,人間の視覚に重点を置いて学ぶ.また後半では,人工知能を指向したプログラミング言語のひとつであるSchemeの考え方とプログラミングの手法について学ぶ.
到達度目標 ・心理物理学の方法論を理解し,具体的な例を挙げて説明できる(50%).
・Schemeの考え方を理解して簡単なプログラムが作れるようになる(50%).
授業計画 1週目: ガイダンス
2週目: 脳科学概論
3週目: 心理物理量(絶対閾)
4週目: 心理物理量(弁別閾,主観的等価値)
5週目: 視覚心理実験法(古典的方法)
6週目: 視覚心理実験法(適応法)
7週目: 信号検出理論
8週目: 心理物理学実験例
9週目: Lispの特徴
10週目: S式の定義
11週目: S式の評価(1)
12週目: S式の評価(2)
13週目: 関数定義
14週目: 再帰的プログラミング(1)
15週目: 再帰的プログラミング(2)

前半7週(2-8週)を渡部が,後半7週(9-15週)を須藤が担当する.
教科書及び教材 必要な資料を配布し,講義時間中に解説する.
参考書 (前半)
・田中良久 著「心理学的測定法 第2版」東京大学出版会(5,200円+税)
・G.A.ゲシャイダー 著「心理物理学 方法・理論・応用 上巻」北大路書房(3,800円+税)
・G.A.ゲシャイダー 著「心理物理学 方法・理論・応用 下巻」北大路書房(4,700円+税)
(後半)
・湯浅太一 他 著「Common Lisp 入門」岩波書店
・P.H.ウィンストン 他 著,白井良明 他 訳「LISP(I)」,「LISP(II)」培風館 
成績評価方法 ・二人の担当者が課題として与えたレポートの結果により成績を決定する(提出するレポートは2通となり,各レポート50点).
・上記の合計点が,100点満点中60点以上の場合合格とする.
・提出期限までにレポートの提出がないものは成績評価の対象とせず不合格とする.
履修上の注意 不合格の場合は再履修すること.
教員メッセージ 現在,我々が手にする情報は複雑化・多様化が急速に進んでいる.このため,コンピュータは単なる「計算機」ではなく,自ら学習し適応的な処理を行う知的なシステムであることが求められている.このような背景から,情報科学においては,知能システムの開発原理や,実在する知能システムである脳研究の必要性が増大している.今後研究開発の一線に立つ諸君に,今後様々な応用が見込まれるこの分野の現状と課題,そしてその研究・開発の方法論を学んでほしい.
学習・教育目標との対応 この授業科目は情報工学専攻の学習・教育目標の全ての項目に対応している.
関連科目 講義「知能システム学演習」では,本講義で学んだ内容を実習を通して習得する.
備考