開講学期 | 2008年度 前期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 情報工学専攻1年 |
対象学年 | 1 |
必修・選択 | 選択 |
授業方法 | 講義 |
授業科目名 | 知能情報工学特論 |
単位数 | 2 |
担当教員 | 渡邊真也、佐藤一彦 |
教員室番号 | V511(佐藤),V613(渡邉) |
連絡先(Tel) | 0143-46-5432(渡邉) |
連絡先(E-mail) |
satoh[at]csse.muroran-it.ac.jp (佐藤) sin[at]csse.muroran-it.ac.jp (渡邉) |
オフィスアワー | |
授業のねらい | コンピュータ知能工学の基礎として, ゲーム理論, 進化ダイナミクスについて学ぶ. ゲーム理論はミクロ経済学, 進化ダイナミクスは数理生物学の基礎理論であると同時に, エージェント・ベーストモデル, 人口社会モデル, 社会ゲームなど情報科学や情報工学における応用が活発に展開されている. これらの概念と手法を系統的に学び, 情報科学および情報工学への応用について考える. |
到達度目標 |
1.協調行動や依存行動など, 複数主体間に生じるさまざまな相互関係を区別し, それらを記述できるゲームの基本概念を理解できる. 2.戦略型ゲーム, 展開型ゲーム, 情報不完備ゲーム, 繰り返しゲームを定義することができ, それぞれの均衡点を算定することができる. 3.複数主体間の相互作用が時間的に発展する進化ダイナミクスの概念が理解でき, それを定式化されたダイナミクスの解を求め, 表現することができる. |
授業計画 |
第1週 ゲーム理論と進化ダイナミクス ゲームの基礎概念, 進化ダイナミクスの基礎概念 第2週 戦略形ゲーム(1) 定義, ナッシュ均衡点, 混合戦略と期待利得 第3週 戦略形ゲーム(2) 均衡点の存在, 合理的な戦略の分岐点, 均衡点の計算方法, 応用例 第4週 展開型ゲーム(1) 定義, 戦略の概念と均衡点 第5週 展開型ゲーム(2) 完全情報ゲーム, 完全記憶ゲーム, 応用例 第6週 情報不完備ゲーム(1) 定式化, ベイジアン均衡点, ベイジアン・ゲームの例 第7週 情報不完備ゲーム(2) 情報構造と知識, 相関均衡点, 応用例 第8週 繰り返しゲーム(1) 繰り返しジレンマ・ゲーム, 繰り返しゲームの定式化 第9週 繰り返しゲーム(2) フォーク定理, 応用例 第10週 進化ゲーム(1) 個体群ダイナミクス, 進化的に安定な戦略 第11週 進化ゲーム(2) 単一集団の進化ダイナミクス, 複数集団の進化ダイナミクスと相空間 第12週 グループダイナミクス(1) 集団内相互作用のモデリング, 集団内相互作用のダイナミクス 第13週 グループダイナミクス(2) 集団間相互作用のモデリング, 集団間相互作用のダイナミクス 第14週 共進化ダイナミクス(1) 局所モデルにおける相互作用, 譲り合い学習による動的な秩序の自己組織化 第15週 共進化ダイナミクス(2) メタ戦略にもとづく相互作用, メタ戦略の学習 第16週 まとめと討論 |
教科書及び教材 | 講義プリントを配布する. |
参考書 |
・岡田章:ゲーム理論, 有斐閣, 1996年 ・鈴木光雄:ゲーム理論入門, 共立出版, 1981年 ・生天目章:ゲーム理論と進化ダイナミクス, 森北出版, 2004年 ・Fundenberg,D. & Tirole,J: Game Theory, MIT Press, 1991 ・ホッフバウアー, シグムント著, 竹内康弘ほか訳:進化ゲーム と微分方程式, 現代数学社, 2001年 ・M.ミッチェル著, 伊庭斉志監訳:遺伝的アルゴリズムの方法, 東京電気大学出版会, 1997年 |
成績評価方法 | 講義における討論への参加状況と課題に関するレポートを総合して評価する. 100点満点に対して60点以上の得点をもって合格とする. |
履修上の注意 | |
教員メッセージ | 講義で提供する素材を手懸りに, 複数主体が相互に作用することによって展開される行動の様式や, それが世代間にわたって進化していくときに発現する集団の特性を各自が体系付けることを期待する. |
学習・教育目標との対応 | この授業科目は情報工学専攻の学習・教育目標の全ての項目に対応している. |
関連科目 | 知能情報工学演習 |
備考 |