開講年度 2007
教育課程名 博士前期課程 専攻別科目
授業科目番号 33
授業科目名 環境材料学特論
開講曜日と時限 不定期開講
教室番号
開講学期 後期
単位数 2
対象学科・学年 材料物性工学専攻1年
必修・選択の別 選択
授業方法 講義
担当教員 世利修美
教員室番号 B301
連絡先(Tel) 0143-46-5365
連絡先(E-Mail) seri@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 毎週水曜日13:30〜15:00
授業のねらい 金属材料の腐食防食についての考え方と取り扱いについて講義します。
到達度目標 自分で文献が読め、実験結果を解釈できる
授業計画 1回目 腐食についての概略
腐食の形態
代表的な用語の説明
腐食による経済損失
2,3回目 材料学と化学の基礎
物質の構造
原子と電子構造
周期律表と化学結合
結晶構造と表面酸化皮膜
物質の変化
化学方程式
化学熱力学と化学平衡
腐食に関係する化学反応
物質の性質
平衡状態図

酸素および二酸化炭素
鉄,アルミニウム,銅
4,5,6,7回目 腐食・防食学の基礎
電極電位
界面電位
局部電池
ボルタの電池
局部電池の電気回路
見かけの電流密度と局部電流
ファラデーの法則
腐食速度と電流密度
腐食速度の表示
電解質溶液
電解質溶液内のオームの法則
溶液電位とラプラスの式
腐食反応の平衡論
電極反応とネルンストの式
電位-pH図
腐食反応の速度論
電荷移動過程
電荷移動過程と拡散過程下の分極曲線
分極曲線
単一電極系
混成電極系
複合電極系
実験式と直線近似
局部腐食
局部腐食のメカニズム
すき間腐食
孔食
腐食電位の分布と局部腐食
8,9回目 腐食試験
表面元素分析(EPMA)と表面観察(SEM)
電気化学的測定
腐食データの確率統計処理
極値統計
極値統計の方法
グンベル(Gumbel)分布
グンベル分布の例
10,11回目金属の腐食・防食各論
アルミニウムの腐食・防食
アルミニウム合金の種類と特徴
アルミニウムとアルミニウム合金の腐食挙動
防食対策
 銅の腐食・防食
淡水中の純銅の腐食
純銅の孔食過程
鉄の腐食・防食
炭素鋼
低合金鋼
ステンレス鋼
11,12,13回目応力腐食割れの基礎と防食設計
弾性力学と応力拡大係数
弾性問題における基礎方程式
平面弾性問題
亀裂尖端の応力状態と応力拡大係数
応力腐食割れ
応力腐食割れの特徴
応力腐食割れ試験
防食設計
防食設計とは
防食構造設計の例
14,15回目 予備及び演習
教科書及び教材 「金属材料の腐食と防食の基礎」成山堂書店(2006)
参考書 必要な文献は授業中配布する
成績評価方法 出席日数とレポートにより評価する。
履修上の注意 材料学及び電気化学の基礎を習得していることが望ましい。
教員からのメッセージ 腐食によって失われる経済損失は膨大である。一説によると国民総生産高(GDP)の3〜4%と言われている。わが国のGDPを年間およそ500兆円とすると15〜20兆円が腐食によって毎年失われていることになる。この内腐食防食の知識さえあればその1/4,すなわち4〜5兆円位は防げた損失だったと言われる。
腐食との戦いは人類が現代社会を維持し,その豊かさを次世代へ受け渡す上で古くて新しい永遠の課題と言えよう。本講義はその一端を担うものと思う。
学習・教育目標との対応
関連科目 金属材料、電気化学
その他