開講年度 2007
教育課程名 副専門教育課程 コース別科目
授業科目番号 35
授業科目名 アジアの文化
開講曜日と時限 月曜日 7,8時限
教室番号 N401
開講学期 後期
単位数 2
対象学科・学年 全学科2年
必修・選択の別 選択
授業方法 講義
担当教員 野澤俊敬(NOZAWA, Toshitaka)(共通講座非常勤講師)
教員室番号 N355(N棟3F非常勤講師控室)
連絡先(Tel) 窓口担当:二宮 0143-46-5822
連絡先(E-Mail) nozawa@ilcs.hokudai.ac.jp
オフィスアワー 窓口担当(二宮教員)を通して連絡してください。
授業のねらい 世界は今、中国にエネルギーを充填しつつ21世紀を迎えた。中国についての理解なくして、これからの世界の動きを読むことはできない。特にアジアにおける中国の存在はますます重きを増し、隣国の日本はいやおうなしに緊密な関係を保ってゆくことになると思われる。本講義は、現代中国に起こった幾多の変化の軌跡を映画を通してたどったうえで、特に劇的な変化をとげたこの20年あまりの様々な事象をスクリーンから切り取って紹介し、その社会背景、時代状況、歴史的意義を考察し、現代の中国の文化および中国人を理解する鍵を提供したい。
到達度目標 さまざまな中国映画を通して20世紀および現在の中国の社会、文化そして人間に対する理解を深め、同時代を生きる日本人として、これから中国人といかなる関係を築いてゆくかについて受講者が自己の考えを持つようになることを期待する。
授業計画 1920年代から現在にいたるまでに作られた中国映画の中から、各時期を代表する約100本の映画を選び出し、それぞれの映画の典型的な人物像や代表的な場面を紹介することによって、激変する社会を背景にいかなる映画にどのような人間ドラマが繰り広げられてきたかをたどる。次に、題材別、類型別等にまとめて編集した映像を紹介し、それらの映像と現実社会との間の虚と実のからまった関係を考察する。また、それぞれの映画の発表当時の評価とその後の評価の変遷をたどったうえで、今日的意義を考える。
講義の第1週から第15週までのおおよその計画は以下のとおり。
 1 ガイダンス 
 2 映画でたどる中国現代史(1) 1920年代―1949年
 3 映画でたどる中国現代史(2) 新中国誕生から文化大革命まで
 4 映画でたどる中国現代史(3)「文革」期の映画と映画の中の「文革」
 5 映画でたどる中国現代史(4)「文革」からの脱皮
 6 「改革開放」の時代を生きる人々(1)――新しい生き方の選択
 7 「改革開放」の時代を生きる人々(2)――女たちの物語
 8 都市と農村
 9 激変する社会の諸相 ―― 世相・風俗・流行の変遷(1)
10 激変する社会の諸相 ―― 世相・風俗・流行の変遷(2)
11 「教育」・「犯罪」・「環境」などについて
12 中国映画のニューウェーブ――「第五代」「第六代」の映像作家たち
13 中国映画の中の日本人
14 中国映画の現在――同時代を生きる人々
15 まとめ
教科書及び教材 毎回、講義であつかう映像資料を紹介するプリントを配布する。
参考書 佐藤忠男著『中国映画の100年』二玄社、2006.7(2800円+税)
藤井省三著『中国映画を読む本』朝日出版社(1500円)
戸張東夫著『スクリーンの中の中国・台湾・香港』丸善ブックス(1800円)
門間貴志著『アジア映画に見る日本 I』社会評論社(2700円+税)
成績評価方法 毎回、受講票を配り、その裏に簡単な感想や意見を書いてもらう。(50%)
まとまった感想文とレポートを3回ほど提出してもらう。(50%)
以上を総合して評価する。100点満点中60点以上を合格とする。
履修上の注意 不合格者は再履修しなければならない。
教員からのメッセージ 講義は受講生に感想や意見を求めつつ進めてゆく。受講生には積極的かつ真摯な態度を期待する。
講義で紹介された映画も含めて、多くの中国映画を自ら探して観ることを強く勧める。
学習・教育目標との対応 JABEE基準1(1)「(a):地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養」に対応。
関連科目 人間と文化、ヨーロッパの文化、基層文化論、異文化交流A・B
その他