1 開講年度 | 2007 |
教育課程名 | 副専門教育課程 共通科目 |
授業科目番号 | 12 |
授業科目名 | 日本の歴史 |
開講曜日と時限 | 水曜日 7,8時限 |
教室番号 | A333 |
開講学期 | 後期 |
単位数 | 1 |
対象学科・学年 | 応用化学科1年 |
必修・選択の別 | 選択 |
授業方法 | 講義 |
担当教員 | 一瀬啓恵(Ichinose, Norie)(非常勤講師) |
教員室番号 | N355(共通講座棟非常勤講師控室) |
連絡先(Tel) | |
連絡先(E-Mail) | CZE15657@nifty.com |
オフィスアワー | 毎週水曜日 |
授業のねらい |
この講義のテーマは、「幕末維新期の対外問題と国内情勢」である。
ペリー来航以降の江戸幕府の外交を「主体性のない」、あるいは「卑屈な」外交であると批判することがある。このような主張は、現代の日本政府の外交の問題点を指摘するとき、その根拠を「歴史」に求めようとする場合によく聞かれる。しかし近年、幕府は、ペリーの軍事力を誇示した「砲艦外交」に対し、軍事的には劣勢であることを自覚しつつ主張すべきことは主張し、現実を見据えた外交を展開したという評価がなされるようになってきた。また日本が開国したころ、ヨーロッパではクリミア戦争が勃発していたが、交戦中であるロシア、イギリスともに、日本との関係構築を求めており、幕府はこれらの国々に対して、いかにして日本近海で戦闘が勃発することを避け「等距離外交」を行うかに苦心し、特にロシアとは領土問題にも一定の決着をみた。 しかし、このように幕末の幕府外交への評価が高まる一方、幕府がとった「開国」、そして欧米諸国と「通商」を開始するという選択は、国内政治においても否応ない変革を迫り、それが新たな国家像の創出に結びつき、結局は幕府の滅亡、そして明治維新へとつながっていったことも、また事実である。そこで、この講義では幕府の外交がどのようなものであったか、また欧米との条約締結が国内にどのような影響を与え、どのような対外観や運動を生み出したのか、さらにその結果、幕府がどのような過程をへて滅亡したのかを明らかにする。またこの時期の欧米諸国の対日政策がどのようなものであったかにもふれ、幕府の滅亡に欧米諸国がどのような影響を与えたかについても分析する。 |
到達度目標 |
1)ペリー来航から幕府が滅亡するまでの国内情勢を理解する。
2)幕末の外交がどのようなものであったのか理解する。 3)明治維新がなぜおこったのかを考える。 |
授業計画 |
第1回 鎖国とは
第2回 ペリー来航 第3回 プチャーチンの来航 第4回 スターリングの来航とクリミア戦争 第5回 日米修好通商条約の締結 第6回 尊王攘夷運動 第7回 江戸幕府の滅亡 |
教科書及び教材 | 特にないが、授業中に配布するレジュメや史料を教材として使用する。 |
参考書 |
井上勝生『日本近現代史1) 幕末・維新』(岩波新書、2006年)
加藤祐三『幕末外交と開国』(ちくま新書、2004年) 和田春樹『開国―日露国境交渉』(NHKブックス、1991年) |
成績評価方法 |
100点を満点とし、60点以上が合格。評価の配分は、
授業中のレポート…3割、定期試験…7割 |
履修上の注意 |
受講者には、毎回授業中に5〜10分程度の時間を使って、授業を聴いて理解できたことに対して「自分はどう考えるのか」を書いてもらい、毎回提出してもらう。これらは最終回に評価をして返却するが、この評価は全体の成績評価にも加えるので、授業に出席し、なおかつ「自分なりの意見」が持てない場合は、必然的に成績評価も下がることになる。
定期試験は2000字程度で、与えられたテーマを論じる。 なお、不合格者は再履修となる。 |
教員からのメッセージ | 幕末や明治維新に関心のある学生、外交に関心のある学生に受講をすすめる。授業で取り扱う時期は1853年〜68年と短い期間だが、だからこそ詳細な内容に触れることができるので、「日本史」を勉強することのおもしろさをわかってもらいたい。また、基礎的な事項にも説明を加えるので、授業内容は「日本史」の知識に全く自信がなくても理解できるものである。 |
学習・教育目標との対応 | JABEE基準 (a)多面的に物事を考える能力 の達成に寄与する。 |
関連科目 | 2年生からの「市民と公共」コースの日本近現代史Aと日本近現代史B |
その他 |