開講年度 2007
教育課程名 主専門教育課程 学科別科目
授業科目番号 38
授業科目名 磁性
開講曜日と時限 金曜日3−4時限
教室番号 N403
開講学期 後期
単位数 2
対象学科・学年 材料物性工学科 材料工学コース3年
必修・選択の別 選択
授業方法 講義
担当教員 近澤 進
教員室番号 K602
連絡先(Tel) 0143−46−5618
連絡先(E-Mail) chika@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 木曜日14:00−15:00
授業のねらい 磁石をはじめとして、私たちの身の回りには多くの「磁性体」が使われている。
本授業では、「磁性」の起源とその応用例を学ぶ。
到達度目標 (1)前半は磁性の基礎について学ぶ。磁性の起源を理解し、「鉄やニッケルは磁石に付くが、銅やアルミニウムは付かないのはなぜか」を説明できるようになる。
(2)後半は、磁気異方性、磁化過程、磁性の応用などを学び、身の回りの製品にどのような性質か使われているか例を挙げて説明できるようになる。
授業計画 第1週 序論(磁性概説、角運動量と磁気モーメント、原子・分子の磁性、固体の磁性)
第2週 常磁性と反磁性(キュリー常磁性、ラーモア反磁性、パウリ常磁性、ランダウ反磁性)
第3週 秩序磁性と磁気相転移(強磁性、フェリ磁性、反強磁性)
第4週 磁気異方性(実験事実、結晶磁気異方性、誘導磁気異方性)
第5週 磁化過程(磁区構造、技術磁化過程、単磁区微粒子の磁化過程)
第6週 応用磁気(ソフト磁性材料、ハード磁性材料、磁気記録材料、磁性流体)
第7週 実験方法(磁界の発生と測定、磁束密度および磁化の測定、磁気異方性と磁歪の測定,交流磁化の測定と評価)
教科書及び教材 教科書は用いない。必要に応じてプリントを配布する。
参考書 岡本祥一 著「磁気と材料(化学OnePoint23)」(共立出版)
作道恒太郎 著「固体物理 磁性・超伝導」(裳華房)第1章〜第5章
中村弘 著「磁石のABC」(講談社ブルーバックス)
桜井良文、金丸文一共編「磁気材料セラミックス」(オーム社)
太田 恵造 著「磁気工学の基礎I・II」(共立全書)
近角 聰信 著「強磁性体の物理上・下」(裳華房)
小沼  稔 著「磁性材料」(工学図書)
安達 健五 著「化合物磁性上・下」(裳華房)
J. Crangle 著「固体の磁気的性質」(白鳥、溝口訳)(丸善)
成績評価方法 授業の理解のため、毎回小テストまたはレポート課題を出題する。
この結果を50点満点、最終レポートを50点満点とし、合計100点
満点で、60点以上を合格とする。
不合格者は再履修すること。
履修上の注意 制限はないが、量子論・量子力学等の科目を履修していることが望ましい。
また、レポート課題でインターネットを利用できることが望ましい。
教員からのメッセージ 子供の頃に磁石で遊んだり,モーターを作ったことがあると思います。なぜ鉄の釘は磁石にくっつくのに銅やアルミは付かないのか不思議に思いませんでしたか?この授業の前半でその「なぞ」が解けます。
また、身の回りで磁性体を利用した物に,モーターや磁石(電磁石),電子レンジ,スピーカー,ビデオ(テープ),MD・MO,パソコンのHDDなどがあります。これらはどのような仕組みになっているでしょう?また,どのような性質が使われているでしょうか?この授業の後半で「磁性材料」とその応用例を学びます。
学習・教育目標との対応 本授業はJABEE基準d(1)材料の製造・性質に関する基本の理解
材料物性工学科材料工学コースの学習・教育目標「(D)材料工学の専門能力」の達成に寄与する。
関連科目 量子論、量子力学、統計熱力学
その他