開講年度 2007
教育課程名 主専門教育課程 学科別科目
授業科目番号 29
授業科目名 マルチメディア工学
開講曜日と時限 火曜日3〜4時限(18:40〜20:10)
教室番号 N103
開講学期 後期
単位数 2
対象学科・学年 情報工学科2年
必修・選択の別 選択
授業方法 講義
担当教員 渡部 修(WATANABE,Osamu)(情報工学科・コンピュータ知能学講座(Computational Intelligence講座))
教員室番号 V503
連絡先(Tel) 0143-46-5421
連絡先(E-Mail) watanabe@csse.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 火曜日 17:00-18:00(質問にはD308で対応します)
授業のねらい 文字、音声、グラフィック(静止画、動画)などの複数の情報伝達媒体(メディア)を統合して扱うマルチメディア技術は、社会の至る所で目にされるようになってきた。本講義では、マルチメディアシステムを実現するための個々の技術、表示法に加え、受け手の知覚心理についても概観する。
到達度目標 1.マルチメディアの要素技術(音声、画像の圧縮技術、認識技術など)について理解を深める(90%)。

2.情報の受け手(人間)の知覚特性について理解を深める(10%)。
授業計画 第1回 マルチメディアとはなにか
第2回 文字情報処理(符号化と復号化、デジタルとアナログ)
第3回 音声情報処理(1)(音声情報の要素、PCM、データ量)
第4回 音声情報処理(2)(圧縮1:DPCM、ハフマン符号、DCT)
第5回 音声情報処理(3)(圧縮2: DCT)
第6回 音声情報処理(4)(ファイル形式)
第7回 音声情報処理のまとめ
第8回 画像情報処理(1)(画像情報の要素、データ形式、デジタル化)
第9回 画像情報処理(2)(データ量、ファイル形式:JPEG)
第10回 画像情報処理(3)(ファイル形式:その他)
第11回 画像情報処理(4)(画像処理と画像解析:概論)
第12回 画像情報処理(5)(狭義の画像処理技術)
第13回 動画像情報処理
第14回 画像・動画像情報処理のまとめ(1)
第15回 画像・動画像情報処理のまとめ(2)
教科書及び教材 ・教科書として、

1.松本 紳,小高和己,「マルチメディア ビギナーズテキスト 第2版」,東京電機大学出版局(2,500円+税)

を指定する。

・その他、必要な資料を適宜講義中に配布する。
参考書 人の知覚特性に関する参考書としては、以下のものがある:

・斎藤秀昭,森 晃徳(共編),「視覚認知と聴覚認知」,オーム社(4,800円+税)
 (第2編第1章で、人の聴覚特性とメディア統合との関連について論じられている)

・原島 洋(監修),「3次元画像と人間の科学」,オーム社(7,500円+税)
 (高価だが、人の知覚特性から3次元画像表示技術まで網羅されている)

・大山 正,「新心理学ライブラリ18 視覚心理学への招待」,サイエンス社(2,200円+税)
 (人の視知覚特性とその測定法について概観した入門書)
成績評価方法 ・定期試験(60点)と中間テスト(40点)の結果によって評価する。

・上記の合計点が,100点満点中60点以上の場合合格とする.
履修上の注意 ・指定した教科書を必ず持参すること。

・不合格の場合は再履修すること。
教員からのメッセージ ・マルチメディアは非常に進展の速い分野です。このため、本講義の目的は多岐に渡るマルチメディア関連用語を暗記することではなく、マルチメディア技術の考え方に対する理解を深め、将来新たな技術が確立されたときにも対応できる本質的な力を身につけることにあります。

・マルチメディア技術は、情報の送り手の意図通りに、受け手が理解・操作できなければ意味がありません。このため、実際にユーザインタフェースの開発や、音声・画像データの情報圧縮などの研究を行う際には、情報の受け手(人間)の動作・知覚特性を理解することが重要です。本講義では、各マルチメディア要素技術と人の知覚特性との関わりについても解説します。知覚心理についてのより深い理解のためには、参考書に挙げた資料を図書館等で参照して下さい。

・試験では記憶力よりもむしろ、資料を調べる力、および調べた情報を統合して論述する力を評価しますので、マルチメディア技術の「考え方」を身につけられるよう講義に臨んで下さい。
学習・教育目標との対応 この授業科目は情報工学科の学習目標の以下の項目に対応している。
・情報技術者[情報システム]情報システムの基礎知識と構築・運用能力を身につける。
関連科目 履修の必須要件となる科目はないが、講義「プログラミング」の内容(Cプログラミング)を理解していることが望ましい。また、音声・画像情報処理の具体的方法に関しては、講義「ディジタル信号処理」の内容(離散フーリエ変換、標本化定理)と密接に関連している。
その他