開講年度 | 2007 |
教育課程名 | 主専門教育課程 学科別科目 |
授業科目番号 | 40 |
授業科目名 | 生命情報システム |
開講曜日と時限 | 金曜日7〜8時限(14:35〜16:05) |
教室番号 | N403 |
開講学期 | 前期 |
単位数 | 2 |
対象学科・学年 | 情報工学科4年 |
必修・選択の別 | 選択 |
授業方法 | 講義 |
担当教員 | 渡部修 (WATANABE,Osamu) (情報工学科・コンピュータ知能学講座 (Computational Intelligence講座)) |
教員室番号 | R308 |
連絡先(Tel) | 0143-46-5421 |
連絡先(E-Mail) | watanabe@csse.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 月曜日 14:30-16:00 |
授業のねらい | 生物の脳を一つの情報処理システムとして眺めると、現在のコンピュータではまだ実現できない能力を数多く持っている。脳の情報処理の計算原理を知ることができれば、次世代の情報処理システムの開発につながる新しい設計原理を手に入れることができる。脳の情報処理のメカニズムはまだ完全に解明されている訳ではないが、近年の研究の進展に伴って新しい知見が続々と集積されてきており、これらに基づいた情報処理システムの開発も進められている。本講義では、生体における情報処理の仕組みについての理解を深め、これを様々な知能情報システムに応用するための知識を養うとともに、画像・音声情報の呈示やユーザインタフェースの開発・評価において重要となる人の知覚特性とこれを測定する心理物理学的手法について学ぶ。 |
到達度目標 |
1.神経情報処理の基礎となる計算原理について理解を深める(50%)。
2.人間の視知覚特性とこれを科学的に測定する心理物理学的手法について理解を深める(50%)。 |
授業計画 |
第1回 生命情報システム概論
第2回 神経細胞(ニューロン) 第3回 脳の構造と機能地図 第4回 神経細胞の数理モデル 第5回 1〜数個のニューロンで何ができるか? 第6回 シナプス結合の強化則 第7回 神経回路網のモデル(ニューラルネットワーク) (1)パーセプトロン 第8回 神経回路網のモデル(ニューラルネットワーク) (2)バックプロパゲーション 第9回 神経回路網のモデルまとめ 第10回 視覚系の構成 第11回 初期視覚のアルゴリズム 第12回 初期視覚の計算理論:標準正則化理論 第13回 視覚心理学 第14回 視覚系まとめ(1) 第15回 視覚系まとめ(2) |
教科書及び教材 | 講義中に適時必要な資料を配布する。 |
参考書 |
・松村道一,「ライブラリ脳の世紀1 脳科学への招待」,サイエンス社(1,900円+税)
(脳の構造について分かりやすく書かれた入門書です) ・坂和正敏,田中雅博,「ニューロコンピューティング入門」,森北出版(2,600円+税) (様々な種類のニューラルネットワークが解説されています) ・川人光男,「脳の計算理論」,産業図書(5,500円+税) (運動制御と視覚についての計算論的神経科学の専門書です) ・平井有三,「視覚と記憶の情報処理」,培風館(3,500円+税) (脳構造からモデルまで系統的に書かれた教科書です) ・デビッド・マー,「ビジョン 視覚の計算理論と脳内表現」,産業図書(4,200円+税) (視覚情報処理の計算理論についての専門書です) |
成績評価方法 |
・定期試験(60点)と中間テスト(40点)の結果によって評価する。
・上記の合計点が,100点満点中60点以上の場合合格とする. |
履修上の注意 | 不合格の場合は、来年度以降の新カリキュラムの読み替え科目である、3年次前期「データ統計解析応用演習」および3年次後期「認識と学習応用演習」を履修すること(2科目を修得することで生命情報システムの単位に読み替える)。 |
教員からのメッセージ | 線形代数やシステム工学、データ構造とアルゴリズムなど、3年生までに履修してきた科目は、情報工学に関わる研究・開発を行う際の基盤となる知識でした。「ロボットシステム」とともに4年時に開講される本講義は、これまでに培ってきた広範な基礎知識がどのように活かされて情報科学の新しい分野が切り開かれるのかを示すものであると同時に、将来研究開発の一線に立つ諸君に、今後様々な応用が見込まれるこれらの分野に対応できるよう、その基礎知識と現状について理解を深めるものである。本講義では、最新の研究動向の紹介なども交えながら、生物の脳が持つ巧妙な情報処理のメカニズムについて考えていく。 |
学習・教育目標との対応 |
この授業科目は情報工学科の学習目標の以下の項目に対応している。
・情報技術者[情報システム]情報システムの基礎知識と構築・運用能力を身につける。 |
関連科目 | 履修の必須要件となる科目はないが、講義「視覚情報処理」および「認識と学習」の内容を習得していると理解しやすい。 |
その他 |