開講年度 | 2007 |
教育課程名 | 主専門教育課程 学科別科目 |
授業科目番号 | 40 |
授業科目名 | 認識と学習 |
開講曜日と時限 | 金曜日5〜6時限(12:55〜14:25) |
教室番号 | N208 |
開講学期 | 後期 |
単位数 | 2 |
対象学科・学年 | 情報工学科3年 |
必修・選択の別 | 選択 |
授業方法 | 講義 |
担当教員 | 渡部 修(WATANABE,Osamu)(情報工学科・コンピュータ知能学講座(Computational Intelligence講座)) |
教員室番号 | V503 |
連絡先(Tel) | 0143-46-5421 |
連絡先(E-Mail) | watanabe@csse.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 火曜日 17:00-18:00(質問にはD308で対応します) |
授業のねらい | 情報関連技術の高度化と普及に伴い、現在の情報科学で扱う情報は多様化・複雑化が急速に進んでいる。しかし、計算機の処理能力が向上しても、あらゆる状況に対し適切な処理を行うシステムの構築は簡単ではない。なぜなら、様々な状況を事前に想定し、その処理方法を逐一プログラムするには限界があるためである。このため、現在の情報処理システムは、単なる計算機ではなく、現在の状況を「認識」し自ら「学習」することで適応的な処理を行う、知的なシステムであることが求められている。本講義では、情報処理システムの「認識」と「学習」に関する基礎的な理論を理解し、アルゴリズム化できる能力を習得する。 |
到達度目標 |
1.パターン認識と学習に関する基礎的な理論を理解する(理解力、30%)。
2.認識と学習で学んだアルゴリズムのふるまいを、具体的な例題を用いて検証できる(計算力、40%)。 3.工学的問題と、認識と学習で学んだことを、関連づけて説明できる(応用力、30%)。 |
授業計画 |
1週目 認識と学習概論(1)(認識と学習で扱う内容について)
2週目 認識と学習概論(2)(パターン認識の目的と問題の定式化) 3週目 認識と学習概論(3)(特徴空間と類似度) 4週目 認識と学習概論(4)(自己組織化マップ(SOM)とその学習法) 5週目 認識と学習概論(5)(SOMの応用例と課題) 6週目 パターン認識(1)(パターンの特徴と主成分分析) 7週目 パターン認識(2)(教師なしクラスタ分類の諸方法) 8週目 パターン認識(3)(線形識別問題) 9週目 パターン認識(4)(教師ありクラス分類の諸方法) 10週目 パターン認識まとめ 11週目 機械学習(1)(学習アルゴリズムの分類) 12週目 機械学習(2)(単純パーセプトロンと問題の難しさの尺度) 13週目 機械学習(3)(誤差逆伝播学習法) 14週目 機械学習まとめ(1) 15週目 機械学習まとめ(2) |
教科書及び教材 | 講義中に適時必要な資料を配布する。 |
参考書 |
・石井健一郎、上田修功、前田英作、村瀬洋、「わかりやすいパターン認識」、オーム社(2,800円+税)
(認識と学習に係る基礎理論が体系的に説明されています) ・T.コホネン(著)、徳高平蔵、岸田悟、藤村喜久郎(訳)、「自己組織化マップ」、シュプリンガー・フェアラーク東京(3,689円+税) (自己組織化マップ(SOM)の専門書です。第1章でパターン認識問題の基礎理論を解説しています) ・平井有三、「視覚と記憶の情報処理」、培風館(3,500円+税) (第7節で学習・認識問題の概観が系統的に説明されています) ・坂和正敏、田中雅博、「ニューロコンピューティング入門」、森北出版(2,600円+税) (ニューラルネットワークを用いた様々な学習・認識手法が解説されています) ・電気学会 GA・ニューロを用いた学習法とその応用調査専門委員会(編)、「学習とそのアルゴリズム」、森北出版(3,400円+税) (学習認識機械の実問題への応用例が豊富に解説されています。) |
成績評価方法 |
・定期試験(60点)と中間テスト(40点)の結果によって評価する。
・上記の合計点が,100点満点中60点以上の場合合格とする. |
履修上の注意 | 不合格者は再履修すること。 |
教員からのメッセージ |
・線形代数と初歩の確率論が基礎として必要になる。講義中に必要最小限の説明は行うが、各自で必要な知識を復習しておくことが望ましい。
・「認識と学習」で学ぶ柔軟で適応的な情報処理技術は、情報科学のあらゆる場面で必要とされるものである。本講で扱う内容は、現在も新たな知見が続々と集積されつつある進展中の分野であり、将来研究開発の一線に立つ諸君に、今後様々な応用が見込まれるこの分野に対応できるよう、その基礎理論と考え方について理解を深めるものである。 |
学習・教育目標との対応 |
この授業科目は情報工学科の学習目標の以下の項目に対応している。
情報技術者[コンピュータサイエンス]情報工学の基礎知識と応用能力を身につける。 |
関連科目 |
・履修の必須要件となる科目はないが、1年次開講の「線形代数」、および2年次開講の「確率・統計」の内容を修得していることが望ましい。
・講義「認識と学習応用演習」では、本講義で学ぶ内容を実習を通して習得する。 |
その他 |