開講年度
2006
教育課程名
博士前期課程 専攻別科目
授業科目番号
5
授業科目名
材料物理化学特論
開講曜日と時限
月曜日 5〜6時限(12:55〜14:25)
教室番号
C309
開講学期
前期
単位数
2単位
対象学科・学年
材料物性工学専攻1年
必修・選択の別
選択
授業方法
(1)3人持ち回りとし、それぞれの担当で大きなテーマを設定する。
(2)講義プラス演習形式で行い、積極的な講義参加なしには単位を与えない。
担当教員
担当順 佐伯 功(SAEKI Isao)(材料物性工学科・材料工学講座)
      佐藤忠夫(SATO Tadao)(材料物性工学科・材料工学講座)
      平井伸治(HIRAI Shinji)(材料物性工学科・材料工学講座)
教員室番号
K505(佐伯)、K504(佐藤)、K204(平井)
連絡先(Tel)
46-5634(佐伯)、46-5631(佐藤)、46-5636(平井)
連絡先(E-Mail)
isaos@mmm.muroran-it.ac.jp  sato@mmm.muroran-it.ac.jp  hirai@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー
佐伯(火曜日14〜17時)
佐藤(火曜日10〜12時、14〜17時)
平井(月曜日9〜16時、木曜日9〜13時)

授業のねらい
1. 卒業研究を経験し、相変態や化学反応になじんできた学生諸君に対し、学部基礎科目として学んだ物理化学(熱力学)をもう一度学ぶチャンスを与え、確かな自分の知識として定着させる。
2. 学部講義ではカバーできなかった項目(非理想溶液、非定圧操作、水溶液化学平衡など)について学ぶ。
3. 学部講義では個々の知識として学んだ物理化学を包括的に理解する。
到達度目標
佐伯担当分:水溶液のなかでおこる簡単な反応も物理化学によって支配されており、物理化学を正しく理解することによって反応を予測し実際のプロセス管理や材料開発に役立てることができることを理解し体得する。

佐藤担当分:反応速度定数、反応次数、活性化エネルギーの求め方の定着ならびに実在合金を通して理想混合溶液からのずれを体得する。

平井担当分:物理化学(熱力学)を駆使し、簡単な推論を行えば、誰でも材料に生じる物理・化学的変化について論理的に洞察することができ、さらには材料を作製するための最適なプロセスを見出すことができることを理解し、固体に関与する反応を中心に、活性金属の製錬、溶解、薄膜作製の他、活性金属を構成成分とするセラミックスの合成を例に挙げ、より実用的な物理化学を体得する。
授業計画
第1週 オリエンテーション:授業の進め方。この学習が自分の将来とどう関係するかについて理解してもらう。

第2〜6週(佐伯担当)
タイトル:水の化学と物理化学 
講義1:pHの概念、水のふるまい、物質保存則、質量作用則
演習1:酢酸の滴定曲線と分配曲線の作成、リン酸について宿題
講義2:溶解度、溶解度積、ギブス自由エネルギー
演習2:鉄のpH-溶存濃度曲線の作成、排水処理について宿題

第7〜10週(佐藤担当)
タイトル:化学反応速度則の解析、部分モル量の決定 
講義1、演習1:酸化還元樹脂を用いたCr6+ → Cr3+の還元反応速度の解析、速度則と活性化エネルギーの算出。
講義2、演習2:実在する二元合金の片方の活量から他方の活量の求め方と部分モル量の算出。

第11〜14週(平井担当)
タイトル:熱力学の諸法則と固体反応
講義1:熱力学の諸法則
演習1:活性金属の製錬、溶解、薄膜作製
演習2:活性金属を構成成分とするセラミックスの合成
講義2:熱力学と無機化学を駆使した材料創製

第15週 総合討論
教科書及び教材
教科書:P.W.Atkins著 千原秀昭・中村亘男訳
「アトキンス 物理化学 上(第6版)」(東京化学同人)
他に、授業に使用する必要な資料は適宜プリントとして配布する。
参考書
成績評価方法
期限内に課題を提出(自習態度、問題解決能力、納期管理を判定する)した人で、かつ、必要に応じて課題についての口頭試問(理解度を判定する。他者依存の防止)に応えた人を合格とする。
履修上の注意
出席要件:10回以上出席すること。
教員からのメッセージ
物理化学が材料の創製に如何に役に立つかを理解してほしい。
学習・教育目標との対応
関連科目
学部1年次「熱力学」「熱力学演習」「物理化学A」、2年次「物理化学B
」、3年次「材料精製学」など。
その他