開講年度
2006
教育課程名
博士前期課程 専攻別科目
授業科目番号
11
授業科目名
センシングシステム特論
開講曜日と時限
月曜日 1〜2時限(08:45〜10:15)
教室番号
V102
開講学期
前期
単位数
2単位
対象学科・学年
情報工学専攻1年
必修・選択の別
選択
授業方法
講義
担当教員
板倉 賢一(ITAKURA, Ken-ichi) (情報工学専攻・ヒューマン情報学講座(Human Informatics 講座) 
永野 宏治(NAGANO,  Koji)(情報工学専攻・ヒューマン情報学講座(Human Informatics講座)) 
 
教員室番号
板倉賢一 V510 
永野宏治 V508 
連絡先(Tel)
板倉賢一 0143−46−5424
永野宏治 0143-46-5420 
連絡先(E-Mail)
板倉賢一 itakura@csse.muroran-it.ac.jp
永野宏治 nagano@csse.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー
板倉賢一 月曜日 16:15〜17:45
永野宏治 月曜日 16:15〜17:15
授業のねらい
 現代社会は、様々なセンシングシステムによって支えられていると言っても過言ではない。そのセンシングシステムは、センシング対象に応じたセンサ(検出)要素、センサからの信号の増幅調整等を行う変換要素、その信号を伝送する要素、また信号を記録し必要に応じて取り出す要素、信号を目的に応じて分析する要素、そして結果を表示する要素から成り立っていると考えられる。この一連の信号の流れの中に帰還要素が含まれ動的に対象をコントロールする場合は、制御システムになる。本授業の前半ではコンピュータ・ベースの最もシンプルなセンシングシステムとして振動(加速度)計測、音響(音声)計測システムを取り上げ、一連の信号の流れに従って背景にある物理現象、原理や効果、要素の特性表現等について学ぶ。また、後半では信号の分析と表示要素として時系列信号処理を中心に、基礎理論とアルゴリズムについて学ぶ。
到達度目標
1.センシングシステムの構成、各要素の機能、特性の記述方法が説明できる。
2.振動計測と音声計測の原理を説明できる。
3.信号を、時間領域と周波数領域で取り扱える。
4.離散信号の周波数領域の特徴を説明できる。
授業計画
1週目:センシングシステム特論および演習のガイダンス
2週目〜3週目:センシングシステム概論
4週目:振動計測システム(各種センサと原理、センサの特性)
5週目:振動計測システム(システム特性、加速度計測とその活用)
6週目:音響計測システム(各種センサと原理、センサの特性)
7週目:音響計測システム(システム特性、音声計測と解析方法)
8週目:フーリエ級数展開、フーリエ変換と信号の周波数領域の表現
9週目:インパルス列のフーリエ変換とサンプリング定理
10週目:離散フーリエ変換の導出とスペクトル推定法
11週目:スペクトル推定アルゴリズム
12週目:伝達関数とインパルス応答
13週目:不確定性原理とWigner分布、Wigner-Ville分布
14週目:周波数解析に関する英文資料の要約試験
15週目:演習成果の発表会
教科書及び教材
 適宜資料を配布し、授業で解説する。
参考書
E.O.Doebelin著「Measuremet Systems -Application and Design-」McGraw-Hill
苅屋公明、山田 光著「計測工学」国民科学社
尾知博著「シミュレーションで学ぶディジタル信号処理」、CQ出版
金谷健一著「これなら分かる応用数学教室」共立出版
城戸健一著「ディジタル信号処理入門」、丸善
その他

成績評価方法
 前半7週間までのレポート課題、小テスト等の配点を50点、後半の周波数解析に関する英文資料の要約課題の配点を50点とし、合計60点以上を合格とする。
履修上の注意
 「センシングシステム演習」と協調して進める予定である。いずれの科目とも、原則として無断欠席、遅刻は認めない。欠席、遅刻せざるを得ない場合は、事前に事情を担当教員へ連絡すること。
 不合格者は再履修すること。
教員からのメッセージ
 学部の関連科目に関する復習をしておくこと。特に、確率論と統計学の基礎的な概念およびフーリエ変換は、理解しているものとして講義を進める。また、線形代数の計算が頻繁に出てくるため,線形代数の復習をしておくこと。
学習・教育目標との対応
 本専攻の学習、教育目標である、(1)情報工学に関する確固たる基礎知識を有するとともに、高度な専門性と実践的な応用能力を有する技術者を育成する、(2)自己の専門分野における優れた研究能力を有するとともに、時代の変革に対応して自己の能力を高めることができる技術者を育成する、(3) 論理的な思考力により課題を解決する能力を有するとともに、国際的な視野で他者との共同作業を実現できるコミュニケーション能力を有する技術者を育成する、のいずれにも対応するが、(1)と(3)の目標に関連深い科目である。
関連科目
 学部の「線形システム論」、「情報計測工学」、「センシングシステム」等の延長に位置する科目である。
その他
 特になし。