開講年度
2006
教育課程名
昼間コース 副専門教育課程 コース別科目
授業科目番号
35
授業科目名
日本近現代史B
開講曜日と時限
水曜日 7〜8時限(14:35〜16:05)
教室番号
N208
開講学期
前期
単位数
2 単位
対象学科・学年
全学科2年
必修・選択の別
選択
授業方法
講義
担当教員
一瀬啓恵(Ichinose, Norie)(非常勤講師)
教員室番号
N355(共通講座棟非常勤講師控室)
連絡先(Tel)
連絡先(E-Mail)
CZE15657@nifty.com
オフィスアワー
毎週水曜日
授業のねらい
 日本近現代史Bは、「近代日本と日露戦争―その原因と影響―」をテーマとする。
 日露戦争は、1904(明治37)年から1905(明治38)年にかけて、日本とロシアとの間で、朝鮮・満州(中国東北部)の支配権を争って行われた戦争である。しかしこの戦争は単に「2国間の対立」というだけでなく、「20世紀最初の世界戦争」でもあり、その後の日本のみならず、東アジアや世界情勢に大きな影響を与え、この後の戦争のあり方にも重大な変化をまねいた。ところで日本がロシアと日露和親条約を締結して国交を樹立したのは1855年のことであり、日露戦争は国交樹立から50年で勃発した戦争でもある。ではなぜこの50年の間に日本とロシアは戦争をするにいたったのだろうか。そして日露戦争が世界に与えた影響とはどのようなものであったのだろうか。
 そこでこの講義では、ペリー来航以降の日本近代が抱えていた内政・外交問題がどのようなものであったか、そのような内政・外交における課題と日露戦争の勃発がどのような関係をもっていたのか、また日露戦争では具体的にどのように戦闘が行われ、戦場においても、また銃後においてもどのような戦略が用いられたのか、さらには日露戦争が戦後与えた影響をさまざまな角度から取り上げていく。そして日露戦争がなぜ起こったのか、また近代日本にとって日露戦争とはどのような意味を持つ戦争だったのかを明らかにしていきたい。
到達度目標
1)ペリー来航から日露戦後にいたるまでの、日本近代における内政と外交のあり方を理解する。
2)日露戦争がどのように戦われ、後の「戦争」のあり方にどのような影響を与えたのかを理解する。
3)日露戦争がなぜ起こったのかを理解することで、現代のわれわれにとって「戦争とは何か」を考える。
授業計画
第1回 ガイダンス
第2回 攘夷論の動向
第3回 明治初年の東アジア政策と国際法
第4回 明治前期の日朝関係
第5回 東アジア情勢の変化と英露対立
第6回 初期議会の動向
第7回 日清戦争の勃発
第8回 日露協商論と日英同盟論
第9回 日露戦争とメディア〜戦争とメディア戦略
第10回 日露戦争の経過
第11回 日露戦争と軍事戦略の変化
第12回 日露戦争と大正デモクラシーの胎動
第13回 日露戦争の国際的評価〜辛亥革命、韓国併合
第14回 日露戦争と非戦論
教科書及び教材
特になし。おもに授業で配布するレジュメにそって講義をする。
参考書
加藤陽子『東大式レッスン!戦争の日本近現代史―征韓論から太平洋戦争まで―』
山室信一『日露戦争の世紀―連鎖視点から見る日本と世界―』(岩波新書、2005年)
山田朗『軍備拡張の近代史―日本軍の膨脹と崩壊―』(吉川弘文館、1997年)
成績評価方法
100点を満点とし、60点以上が合格。
評価配分は、授業中レポート…3割、定期試験…7割
履修上の注意
 受講者には、毎回授業中に5〜10分程度の時間を使って「授業の感想」を書いてもらい、毎回回収する。また授業の第8回と最終回に評価をして返却するが、この評価は全体の成績評価にも加えるので、授業に出席しないと必然的に成績評価も下がることになる。
 定期試験は2000字程度で、与えられたテーマを論じる。
教員からのメッセージ
 日本史の知識がなくても、なぜ戦争が起こるのかを考えてみたい学生は受講してかまわない。授業の内容が理解できるように、基礎的な事項にはその都度解説も加えるつもりである。
学習・教育目標との対応
JABEE基準(a)多面的に物事を考える能力
関連科目
その他