開講年度
2006
教育課程名
夜間コース 副専門教育課程 副専門科目
授業科目番号
17
授業科目名
日本近現代史A
開講曜日と時限
水曜日 1〜2時限(17:00〜18:30)
教室番号
N208
開講学期
前期
単位数
2 単位
対象学科・学年
全1年
必修・選択の別
選択
授業方法
講義
担当教員
一瀬啓恵(Ichinose, Norie)(非常勤講師)
教員室番号
N355(共通講座棟非常勤講師控室)
連絡先(Tel)
連絡先(E-Mail)
CZE15657@nifty.com
オフィスアワー
毎週水曜日
授業のねらい
 日本近現代史Aでは、「日本近代における『明治維新』観の変遷」をテーマとする。
 ここ数年、テレビや映画、小説、新聞や雑誌などで明治維新をテーマとした作品や特集をよく目にする。これらは明治維新とはいったいどのようなものであったのか、また明治維新以降日本がどのように発展し、また何を切り捨てていったのか、その功罪を明らかにすることで、現代のわれわれが抱える問題を解決するためのヒントを得ようという試みである。ところでこのような「明治維新の現代的意義を問う」試みというのは、現代でのみみられる現象なのだろうか。
 実は「明治維新」というのは、明治新政府の発足直後から常に「目標」や「理想」として語られるとともに、そのときどきの社会状況の変化に応じてさまざまな意味が与えられ、混迷や行き詰まりを打開するために見直されてきた。つまり日本の近代において、「明治維新」観というのは、その時代の要請に応じ、さまざまに変化してきたものなのである。そこでこの講義では、明治維新から太平洋戦争期にいたるまでの時期に「明治維新」観がどのように変化していったのかを理解するとともに、それによって明治以降の日本の近代とはいかなる時代であったのか、さらに現代のわれわれにとって「明治維新」とは、いったいどのような意味を持つのかを考えていきたい。
到達度目標
1)明治維新から太平洋戦争の終結にいたるまでの、基本的な歴史の流れを理解する。
2)明治維新から太平洋戦争期にいたるまでの「明治維新」観がどのように変化したのかを理解する。
3)現代のわれわれにとって、「明治維新」観の変遷を問うことにどのような意味があるのかを考える。
授業計画
第1回  ガイダンス
第2回  五か条の誓文の成立
第3回  自由民権運動にみえる維新観
第4回  西南戦争後の維新観
第5回  明治10年代後半から日清戦争期の維新観
第6回  日露戦争期の維新観
第7回  大逆事件の衝撃(大正維新)
第8回  憲政擁護運動とともに
第9回  米騒動の影響
第10回 関東大震災の波紋
第11回 国家主義運動の胎動(昭和維新)
第12回 国家主義運動の展開
第13回 日中戦争とアジア・太平洋戦争のもとで
第14回 現代の「明治維新」観と全体の総括
教科書及び教材
特になし。おもに授業で配布するレジュメにそって講義をする。
参考書
田中彰『明治維新観の研究』(北海道大学図書刊行会)
宮沢誠一『明治維新の再創造―近代日本の〈起源神話〉―』(青木書店)
成績評価方法
100点満点中、60点以上を合格とする。
評価配分は、授業中レポート…3割、定期試験…7割
履修上の注意
 受講者には、毎回授業中に5〜10分程度の時間を使って「授業の感想」を書いてもらう。これらは毎回回収し、授業の第8回と最終回に評価をして返却する。また全体の成績評価にも加えるので、必然的に授業に出席しないと成績評価は下がることになる。
 定期試験は2000字程度で、与えられたテーマを論じる。
教員からのメッセージ
 この授業の内容は、やや思想史的な部分もあるので、理解するのが少し難しい。ただし、高等学校程度の日本史の知識がなくても修得が可能なように、基礎的な事項にも解説を加えるつもりである。
学習・教育目標との対応
JABEE基準(a)多面的に物事を考える能力
関連科目
その他