科目概要

対象年度
2005
教育課程名
博士前期課程 共通科目
授業科目名
数理科学特論
Subject Name
Advanced Mathematical Science
単位数
2
必修・選択の別
選択
対象学科・学年
全専攻 1年
開講時期
前期
授業方法
講義
担当教員
長谷川雄之(HASEGAWA,Yuji)
桂田 英典(KATSURADA,Hidenori)
竹ヶ原裕元(TAKEGAHARA,Yugen)
千吉良直紀(CHIGIRA,Naoki)
教員室番号
N464(長谷川)
連絡先(Tel)
0143-46-5805(長谷川)
連絡先(E-Mail)
yuji@mmm.muroran-it.ac.jp(長谷川)


シラバス

授業のねらい
学部1年次「線形代数」では、連立1次方程式について解の具体的な計算方法を学んだ。つまり係数の掃き出しにより方程式系を簡約化することにより解くわけである。高次の連立代数方程式における「類似」の議論がグレブナー基底の考えを用いてできる。グレブナー基底を導入する際重要になるのは、イデアルの概念と多変数単項式における大小関係である。
本講義では、まず整数や1変数多項式を題材に数学的概念や代数計算について学び、ついで多変数多項式における理論および計算法について解説する。
授業の目標
整数や多項式における基本的用語を理解し、用いることができる。
環やイデアルなど代数系の基本的用語を理解し、用いることができる。
整数や1変数多項式での除算、拡張ユークリッド互除法を理解し、実際に計算することができる。
多変数単項式の間のいくつかの大小関係を理解し、多変数多項式における除算を計算することができる。
連立代数方程式の解の個数の判定条件を理解し、簡単な例について具体的に計算できる。
ブッフバーガーのアルゴリズムを理解し、簡単なイデアルに対してグレブナー基底の計算ができる。
授業計画
●ガイダンス
 1.内容の概略
●整数
 2.除法の定理・拡張ユークリッド互除法
 3.代数的構造(環、イデアル、剰余環)
●1変数多項式
 4.定義と基本性質
 5.拡張ユークリッド互除法
 6.終結式
●多変数多項式 ― グレブナー基底の導入
 7.項順序と単項簡約
 8.グレブナー基底
 9.ヒルベルトの基底定理
10.変数消去
11.連立方程式の解の個数
●グレブナー基底の計算
12.ディクソンの補題
13.S多項式
14.ブッフバーガーのアルゴリズム
15.計算例
教科書及び教材
指定なし(ただし「その他」欄参照のこと。)
参考書
グレブナー基底の計算 基礎篇
 野呂正行・横山和弘 著/東京大学出版会/本体4200円

数理・情報系のための代数系の基礎
 寺田文行 著/サイエンス社/本体1380円
成績評価方法
演習(講義中に適宜実施)およびレポートを総合的に評価する。
履修条件等
特に定めないが、学部での数理科学系科目をほぼ履修してあることが望ましい。
教員からのメッセージ
その他
参考書欄にある本は、かなり教科書に近い使い方をすると思います。