科目概要

対象年度
2005
教育課程名
博士前期課程 専攻別科目
授業科目名
物理化学特論
Subject Name
Advanced Physical Chemistry
単位数
1
必修・選択の別
必修
対象学科・学年
応用化学専攻 1年
開講時期
前期
授業方法
講義と演習
担当教員
見城忠男
教員室番号
U-210
連絡先(Tel)
46-5721
連絡先(E-Mail)
kenjo@mmm.muroran-it.ac.jp


シラバス

授業のねらい
前半の講義の主題はエネルギー変換化学である。特に、最近注目されている燃料電池を中心として、その現状と技術的課題について述べたい。技術的詳細に触れることによって、どのような専門的知識や能力が社会で必要とされるかを知ることが出来るであろう。
 後半の演習では、英語の物理化学の教科書を使って、科学英語のレベルアップをねらう。
授業の目標
燃料電池の原理と構造を理解すること。
燃料電池の現状とさらなる性能改善のための技術的課題を知ること。
科学英語特有の表現法や文体になれ、読解力の向上を目指す事。
授業計画
第1週.電力の商品としての特徴:電力は原則として貯蔵がきかないため、時々刻々変動する需要に追随して供給せねばならない。
第2週.電池技術の発達史:Groveに始まり、アメリカのアポロ計画で大きな発展を遂げた燃料電池の技術発展の歴史。
第3週.電池の原理:電池の起電力は熱力学的に決まっていること、ところが、取り出し得る電流は速度論を考慮に入れないと決まらないことを理解する。
第4週.燃料電池の各論:アルカリ型、リン酸型のそれぞれについて、構造、特徴、現在の技術レベルについて述べる。
第5週.燃料電池の各論:溶融炭酸塩型、固体電解質型のそれぞれについて、構造、特徴、現在の技術レベルについて述べる。
第6週.固体電解質:固体電解質を用いることによって、電池を固体化することが試みられている。どのような種類の固体電解質があり、どのように電池に応用されているか、また、それによってどのような学問分野が開けてきたかを解説する。
第7週.同じく固体電解質.
第8週.蓄電用大型電池と電気自動車の可能性:電力需要を平準化するため、蓄電用大型電池の開発が急がれている。Na-S電池、Ni-水素電池などが有力候補である。また、これらの電池を搭載した電気自動車の可能性が検討されている。
第9週.その他の電池の開発状況:太陽電池やプラスチック電池など、その他の新しい電池の可能性についても触れる。
第10週.試験 
第11週〜15週:科学英語の演習

教科書及び教材
講義に必要な資料は講義の始めにその都度配布する。
演習の教科書は:Samuel GlasstoneのThe Elements of Physical Chemistryであるが、絶版になっていて入手困難であるから、これも演習の始めにコピーを配布する。
参考書
成績評価方法
講義の試験の成績60%、演習の出来40%で評価する。
履修条件等
教員からのメッセージ
最近、院生の英語力のばらつきが大きくなった。これは高校時代の英語履修の内容が大きく関係しているようである。英語はこれからの時代、特に必要となるので、英語に自信の無いものは、特に事前の予習に力を入れること。
その他