授業のねらい |
様々な情報処理システムや計算アルゴリズムのパフォーマンスの比較、理論値と実測データとの比較、複雑なデータの分析など、情報工学の研究開発において統計分析が必要とされる場面は数多い。特に、本講義で扱う多変量解析法(3つ以上の変量(変数)を同時に解析する手法)は、実際の研究開発でよく活用される。本講義では、多種多様なデータを目的に応じて統計的に整理し、そこから何が結論づけられるかを探る手法について学ぶ。さらに、理論だけではなく、自らの研究に応用できる実践的な知識を実習を通して習得する。 |
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授業の目標 |
1.データの種類や目的に応じて、適切な分析手法を選択できる。 2.様々な分析手法を、実際のデータ分析に応用することができる。 |
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授業計画 |
第1回 統計解析概論(1)統計解析が必要な研究と解析法の選択 第2回 統計解析概論(2)統計解析の用語と有意差分析の復習 第3回 統計解析概論(3)統計解析の用語と相関分析の復習 第4回 実データの収集と解析法選択実習(1) 第5回 実データの収集と解析法選択実習(2) 第6回 実習結果の発表 第7回 分散分析 第8回 判別分析 第9回 重回帰分析と正準相関分析 第10回 主成分分析と因子分析 第11回 実データの統計解析実習(1) 第12回 実データの統計解析実習(2) 第13回 実データの統計解析実習(3) 第14回 実データの統計解析実習(4) 第15回 実習結果の発表 |
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教科書及び教材 |
・特定の教科書は指定しないが、今後実際に利用できる各自に適した参考書を1冊見つけること。 ・その他、必要な資料は講義中に適宜配布する。 |
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参考書 |
基本的な統計解析法について:
・清水信博「もう悩まない 論文が書ける統計」 オーエムエス出版(2,300円+税)
・田中敏、山際勇一郎「教育・心理統計と実験計画法」 教育出版(2,900円+税)
・その他、学部講義「データの統計解析」で用いた教科書等を 参考にされたい。
多変量解析について:
・田中豊、脇本和昌「多変量統計解析法」 現代数学社(2,900円+税)
・大野高裕「多変量解析入門」 同友館(2,400円+税)
・石村貞夫「すぐわかる多変量解析」 東京図書(2,000円+税) |
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成績評価方法 |
実習課題の発表結果および出席状況を考慮して総合的に評価する。 |
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履修条件等 |
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教官からのメッセージ |
統計分析には数多くの手法が存在します。統計分析で重要なことは、様々な公式を暗記していることではなく、データの種類や目的に応じて適切な分析手法を選択できること、および、書籍等で分析手法を調べて自らのデータに応用できることです。本講義では、統計分析の理論だけではなく、自らの研究に応用できる実際的な知識やノウハウにを身につけることを目指します。自らの研究で様々なデータの比較・分析・評価が必要になる(または必要になる可能性がある)場合、または、過去の研究論文をレビューし、行われている分析の意味を理解する必要がある場合には、特に受講を勧めます。 |
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その他 |
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