授業のねらい |
移動現象論(熱移動,物質移動,運動量移動)は,固体力学,流体力学,熱力学,電気学などとともに工学基礎(Engineering Science)の一つであり,移動量と移動を起こす推進力および,それに付帯する抵抗との関係を示す基礎方程式が同一形式になる点に注目し,各移動を統一的に講義しようとする学問である.移動現象(輸送現象)を支配する基礎的法則から場の量を決定するための基礎式を誘導し,工学的諸問題の解析に対応できることを目的とする. |
|
授業の目標 |
・移動現象を支配する基礎式の物理的意味が理解できている. ・コンピュータによる数値解析法の概要が理解できている. ・無次元パラメータの意味が理解できている. ・工学的な利用例として,「エンジン冷却フィン」の要素設計 が理解できている.
|
|
授業計画 |
1.移動速度に関する法則 ・拡散と移動現象,運動量移動,エネルギー移動,質量移動, ・移動現象の相似性 2.移動現象に対する基礎方程式(保存式) ・連続の式,運動量の保存式,エネルギー保存式 3.数学的Taylor展開による連続体の基本運動の導出 4.エネルギーとパワースペクトル 5.粘性流体(境界層内流れと無次元パラメータの理解) 6.粘性流体の方程式を使った実在流れの紹介 7.熱伝導と熱対流を理解と,エンジン冷却フィンの基本設計 への応用 以上
|
|
教科書及び教材 |
|
参考書 |
(1) 今井 功,「流体力学(前編)」,裳華房 (2) 甲藤 好郎,「伝熱概論」,養賢堂 (3) 大矢晴彦,諸岡成二,「移動現象論」,技法堂出版 (4) 石井 勉,「基礎移動現象論」,朝倉書店
|
|
成績評価方法 |
出席2/3以上を対象とし,レポートと試験の合計が100点満点中 60%以上の者を合格とする.レポートと試験の比率はそれぞれ50% とする.
|
|
履修条件等 |
伝熱工学特論,および流体工学特論の授業を履修していることが望ましい. |
|
教官からのメッセージ |
ベクトル,テンソル表示などが出てくる場合があり,数学の力を借りないと導出できない部分も紹介したい.
|
|
その他 |
|