授業のねらい |
近代化によって都市化・工業化が推し進められ、その結果、巨大で画一的な人工空間が世界のいたるところに出現した。近代都市は食料のみならず、水やエネルギー、廃棄物の処分場まで周辺地域に依存し、膨張をつづけている。それに対して、農山漁村は途上国では飢えや貧困に苦しみ、わが国では高齢化・少子化の波をかぶり、衰退の一途をたどりつつある。本授業では、第一に、ダム、原子力エネルギー、干拓工事など国が進める事業にかかわる地域の環境問題を通して、近代を特徴づける科学技術と市場経済のあり方を検討し、第二に、地域環境の保全に寄与した農山漁村での住民運動の背後にある思想をローカルな知識とよび、その今日的意義を探りながら、環境問題解決において住民自治の果たした役割について考察を深めたい。 |
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授業の目標 |
1.開発の歴史を通して内発的発展論を吟味する。 2.環境変革運動について検討する。 3.環境正義、予防原則の意味をとらえる。 4.ローカルな知識の今日的意義を理解する。 5.労働および貧困とは何か、再考する。 |
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授業計画 |
1.オリエンテーション 2.近代開発の黎明 3.那賀川総合開発計画 4.拡大造林政策と林業・森林 5.外来型開発から内発的発展へ 6.細川内ダム反対同志会 7.細川内ダム計画の再浮上 8.環境変革運動 9.藤田村長2期8年の闘い 10.ローカルな知識と近代開発 11.木頭村各地域の意思決定と社会紐帯 12.住民自治に基づく広義の労働 13.森や川に関するローカルな知識 14.木頭村の再生に向けて 15.まとめ
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教科書及び教材 |
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参考書 |
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成績評価方法 |
授業に対する積極的参加20点、レポート・プレゼンテーション各40点の合計100点とし、60-69点を可、70-79点を良、80点以上を優とする。 |
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履修条件等 |
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教官からのメッセージ |
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その他 |
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