授業のねらい |
近代立憲主義の成立から現代国家への変遷、そして今日推進されている新自由主義改革。私たちは今、どのような時代に生きているのだろうか。このような問題関心のもと、労働、環境、平和をめぐる様々な問題について、憲法論、権利論の視点から考えていく。 |
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授業の目標 |
1.労働、環境、平和をめぐる現状、とりわけ問題点を知る。 2.そのような問題を克服するための方途を、憲法理論や裁判例、日本国憲法の解釈を通じて探る。 3.「二重の基準」論や「訴えの利益」論といった法律学特有の議論や考え方について最低限理解する。 4.議論や問題状況の整理と自らの主張を行なう訓練をする。 |
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授業計画 |
1.自由権、社会権という考え方 近代立憲主義、近代憲法と現代憲法、社会・経済政策をめぐるア メリカ連邦最高裁判決 2.働くことと法 現代日本の労働状況、働き方のルール、働くことを始める・やめる 3.労働者の権利 労働組合、プロ野球のストライキ問題 4.職場での思想・良心の自由 三菱樹脂事件、教育現場での「日の丸・君が代」 5.表現の自由の意義と現状 二重の基準論、猿払事件、弾圧される言論 6.職場における平等 日産自動車事件、東京都管理職国籍条項事件 7.環境法の生成と概観 国際環境法と国内環境法、環境保全の手法 8.公害・環境訴訟に見られる法理論 4大公害訴訟、訴えの利益論、立証責任 9.開発に対する民主主義的規制 遺伝子組み換え作物規制条例、二重の基準論・再考 10.平和的生存権 イラクへの自衛隊派遣違憲訴訟、長沼訴訟 11.イラク攻撃と国際法 国連憲章、国際人道法、国際裁判 12.戦後日本の安全保障政策の変遷 自衛隊、日米安保体制、1990年以降の動き 13.平和的生存権論の今日的・積極的意義 構造的暴力の克服、人間の安全保障論 14.平和的生存権の裁判規範性 被害者にも加害者にもならない権利、原告適格 15.憲法9条を考える 「信頼の原則」と非軍事平和主義
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教科書及び教材 |
教科書は使用しません。『コンパクト六法』(岩波書店)、『ポケット六法』(有斐閣)など、何でもいいですから、日本国憲法、労働基準法、国連憲章などをすぐに見ることができるようにしてください。
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参考書 |
浜村彰ほか『ベーシック労働法』(有斐閣アルマ、2004年)、西谷敏『規制が支える自己決定』(法律文化社、2004年)、阿部泰隆ほか『環境法・第3版』(有斐閣ブックス、2004年)、松井芳郎『国際法から世界を見る・第2版』(東信堂、2004年)、渡辺治・後藤道夫編『「新しい戦争」の時代と日本』(大月書店、2003年)、平野武ほか『基礎コース憲法』(晃洋書房、2004年)。ほか、講義中に紹介します。 |
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成績評価方法 |
基本的には、学期末試験の得点で評価するつもりですが、質問や感想を聞く意味、文献を読んで整理してもらう意味、意見をまとめてもらう意味からレポートを数回課し(合計20点)、学期末試験の得点に加算する予定です。 |
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履修条件等 |
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教員からのメッセージ |
担当者は、講義に全力投球することを約束します。どうか受講生の皆さんも、この講義で何かを得たいという意欲をもって前向きに参加してください。また、新聞や雑誌、講演会などを通じて,社会に問題意識をもちつづけてください。 担当者は、月に1回、室蘭市民対象の「憲法を学ぶ会」の講師を引き受けるなど、地域社会とのかかわりを重視しています。関心のある人はご一報ください。 |
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その他 |
オフィス・アワーは、月曜日の15:00〜16:00と木曜日の10:30〜11:30です。 |
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