授業のねらい |
1945年の敗戦を境に日本の政治体制は大きく変革されました。GHQによる「戦後の民主化」により日本は民主国家として再出発しました。では戦前日本は非民主的な国家であったか、といえば決してそうではありませんでした。立憲国家としての政治制度を整え、男子普通選挙制が実現しており、国民の声を政治に反映させる制度が成立していました。戦後日本と比べれば確かに不十分ではあったのですが、まぎれもなく民主国家だったのです。したがって政治指導者は国民の支持なくして政権を維持し続けることは困難でした。少なくとも国民の支持があるとされることがその政権の正当性を増し、国民から支持されていないと見られることは政権を失う契機となりました。先の戦争を推進したいわゆる軍国主義を支持したのもまた国民であったのです。そして当時政治の焦点は何であったかといえばひとつは「平和」であり、もうひとつは「景気」でした。 本授業では当時の国民が、どのような政治状況の中で、どのような理由によって景気問題を優先させることによって、戦争へと国家の舵を切らせたのかを見ていきます。
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授業の目標 |
戦前日本の政治制度に理解を深めるとともに、どのような過程で戦争が推進されていったのかを考える。 |
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授業計画 |
・毎回発表者を決め、担当部分のテキスト要約・自分の意見を発表して もらう。
・テキストに関連する史料等は担当教員が準備し、解説する。
・発表者以外の受講者にもテキストを読んできてもらい、発表や史料解 説を聞き、自分の意見・感想を述べてもらう。
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教科書及び教材 |
坂野潤治『昭和史の決定的瞬間』ちくま新書、2004年 |
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参考書 |
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成績評価方法 |
次の割合で評価する。 授業への参加(テキストの要約・意見発表) 60% 定期試験(小論文形式) 40%
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履修条件等 |
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教員からのメッセージ |
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その他 |
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