授業のねらい |
基礎有機化学、基礎有機反応および有機化学Aで修得した知識を踏まえた上で、より専門性を高め種々の有機化学反応の反応機構を中心に理解を深める。 有機化学において重要なカルボニル化合物およびアミン類の基本的な性質と反応について習得する。 有機化合物は炭素、水素、酸素、窒素が主な構成原子である。これらの原子の結合型式が異なることで、多様な性質と構造をもった有機化合物が存在できる。自然界には医薬品、香料となる分子もあれば、生命体を構成するアミノ酸、糖類も存在する。本講義で学習する有機化学の知識をつかえば、自然界に存在する化合物を実験室のフラスコの中で合成することが可能であることを理解できる。私たちは、自然界にあるものを超える機能をもった化合物を設計し、合成することも可能である。 この科目は、応用化学科の教育目標、B−1(専門的知識ー化学)、B−3(専門的知識ー生物)の達成に寄与する。 |
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授業の目標 |
1.化合物の構造からその性質を知ることができる。
2.化合物の構造と反応性を対比させて分類することができる。
3.典型的な反応のメカニズムを理解することができる。
4.反応の概念を合成反応に発展させることができる。 |
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授業計画 |
テキストを中心とした板書型式の講義と授業の最後に出席調査を兼ねた演習とを組合わせて行なう。
第1週 カルボニル化合物とは何か。 構造の特徴とその反応性について考える。
(1)アルデヒドおよびケトンへの求核付加反応 カルボニル基(炭素ー酸素の二重結合)の分極を利用して、求核付 加反応により新しい官能基に変換できる。アルデヒドとケトンとの 反応性の違いはどこにあるのかを解説する。
第2週 アルデヒドとケトンの構造と反応性の比較(19章) 第3週 求核付加反応(その1)(19章) 第4週 求核付加反応(その2)(19章)
(2)カルボン酸およびカルボン酸誘導体の求核アシル置換反応 カルボン酸は何から合成されるのか。 カルボン酸の酸としての性質は、どのように説明できるか。 カルボン酸を利用した官能基の変換反応には、どんなものがあ るか。
第5週 カルボン酸の構造と性質(20章) 第6週 カルボン酸の合成法と反応(20章) 第7週 カルボン酸誘導体とは何か。その反応とは。(21章) 第8週 求核アシル置換反応(21章)
(3)カルボニルのアルファ置換反応 カルボニル基のアルファ位の水素が、他の基によって置換され る。エノールおよびエノラートイオンの反応について解説する。
第 9週 カルボニルのアルファ置換反応(その1)(22章) 第10週 カルボニルのアルファ置換反応(その2)(22章)
(4)カルボニル縮合反応 カルボニル縮合反応は二つのカルボニル成分の間で起こり、求核付 加とアルファ置換の組合せから成る。自然界に存在する香料や興味 ある化合物が合成できる。
第11週 カルボニル縮合反応(その1)(23章) 第12週 カルボニル縮合反応(その2)(23章)
(5)アミン アミンは植物、動物中に広く存在している。アミンの塩基として の性質、医薬品としての利用、合成色素化合物への応用などを解 説する。
第13週 アミンの構造、性質および合成法(24章) 第14週 アミンの反応(24章)
第15週 合成反応の設計をするには |
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教科書及び教材 |
JOHN McMURRY著(伊東椒ら訳) 「マクマリー有機化学(上、中、下)」東京化学同人
HGS分子模型C型セット、丸善、4,000円+税 |
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参考書 |
教科書と同程度の内容で有機化学の全容を把握する参考書として、 H.ハート、L.E.クレーン、D.J.ハート共著(秋葉欣哉、奥 彬共訳)「ハート有機化学」培風館 4,000+税(附属図書館蔵) |
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成績評価方法 |
成績は定期試験で評価し、60点以上の者を合格とする。 10回以上出席した履修者のみを評価の対象とする。定期試験の不合格者を対象に再試験を1回行う。再試験に合格できなかった場合は、再履修すること。 |
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履修条件等 |
基礎有機化学、基礎有機反応、有機化学Aを履修していることが望ましい。 |
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教官からのメッセージ |
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その他 |
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