授業のねらい |
分子分光学は光と原子・分子の相互作用を対象とし、多様な化学現象を原子・分子を構成する電子や原子核の運動に基づいて研究する手法である。本講では、分子分光学の「統一された基本的な考え方」を理解することに主眼を置いて講述する。 なお、この科目は応用化学科の教育目標、B-1(専門的知識-化学)の達成に寄与する。
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授業の目標 |
(1)原子・分子のどのような性質を分光学的に測定できるのか、 (2)そのような性質は分子を構成する電子と原子核のどのような運動に対応しているのか、 を量子論に基づいて理解することを最低の到達目標とする。
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授業計画 |
講義は主に教科書を使用し不足部分はノートの板書で補う。また第1週目に配布するプリント資料により、分子分光学の「統一された基本的な考え方」を解説する。 第01週 分子分光学の骨組みI:(プリント) 第02週 分子分光学の骨組みII:(プリント) 第03週 分子分光学の骨組みIII:(プリント) 第04週 原子におけるシュレディンガー方程式と原子単位系:(§8.1) 第05週 分子におけるシュレディンガー方程式:(§9.1) 第06週 ボルン・オッペンハイマー近似と断熱ポテンシャル:(§9.2) 第07週 古典的調和振動子I:(§5.1,§5.2,§5.3) 第08週 古典的調和振動子II 第09週 量子論的調和振動子I:(§5.4,§5.6,§5.7) 第10週 量子論的調和振動子II 第11週 赤外線吸収スペクトル:(§5.5) 第12週 古典的剛体回転子:(§4.2) 第13週 量子論的剛体回転子I:(§5.8,§6.2) 第14週 量子論的剛体回転子II 第15週 回転波スペクトル:(§4.4,§5.9) 定期試験 なお、(§5)等の数字は目安としての教科書の章番号を示す。また、授業計画の進行は、内容の習熟度合い等により変更する場合がある。
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教科書及び教材 |
千原・江口・斉藤 訳:マッカーリ・サイモン「物理化学(上)」(東京化学同人) を主として用いる。また、第1回目の授業時にはプリント資料を配布する。
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参考書 |
基本的な量子論については、下記の参考書を見よ。 (1)D. A. McQuarrie 著 ”Quantum Chemistry” (University Science Books) (2)小出昭一郎 著 「量子力学(I)」、「量子力学(II)」(裳華房) また、講義の中では時間的制約から、熱力学や統計力学との関連・接続が講述できない。それについては下記の参考書が優良である。 (3)ノックス著/中川・新妻・菊池・村田・小西 訳「分子統計熱力学入門」 (東京化学同人) 以上の参考書はすべて附属図書館にある。
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成績評価方法 |
成績は定期試験で評価し60点以上を合格とする。 成績評価対象者は原則として10回以上の出席とする。 再試験は行わない。 |
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履修条件等 |
(受講上の注意) 第1回目の授業時に配布するプリント資料に基づいた、分子分光学の「統一された基本的な考え方」の理解は非常に重要である。また、必修講義「量子論」、選択講義「量子化学」とは同一の教科書を用いている。 |
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教官からのメッセージ |
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その他 |
オフィスアワーは木曜日の午前9時30分から午前10時30分である。 |
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