科目概要

対象年度
2005
教育課程名
昼間コース 主専門教育課程 学科別科目
授業科目名
情報電子工学概論
Subject Name
Introduction to Information and Electronics Engineering
単位数
2
必修・選択の別
必修
対象学科・学年
情報工学科 1年
開講時期
前期
授業方法
講義を中心にして,適宜演習を行う。
小テストを行う。
担当教官
永野宏治(NAGANO, Koji)(情報工学科・ヒューマン情報学講座(Human Informatics講座))
教官室番号
V503
連絡先(Tel)
0143-46-5420
連絡先(E-Mail)
nagano@csse.muroran-it.ac.jp


シラバス

授業のねらい
情報工学の視点から見た電気回路と電子回路の基礎知識を身につける。
 
授業の目標
1.電気回路の基礎原理(キルヒホッフの法則,鳳─テブナンの定理,重畳の理)を身につける。
2.抵抗,コイル,容量のインピーダンスを取扱える。
3.p型半導体とn型半導体の動作を説明できる。
4.pn接合の電圧─電流の関係をバンド図を使って説明できる。
5.トランジスタの基本的な働きを説明できる。    
6.ディジタル信号とアナログ信号の関係を説明できる。
授業計画
 1回 情報工学の具体的なイメージ作り,カリキュラムを理解する。
            (学習目標,カリキュラム,情報技術者)[小テスト1]
 2回 計算機システムを作る電気回路,電子回路の概念を理解する。
            (計算機の形,構成回路,電気回路と電子回路の区別)[小テスト2]
 3回 電気回路の基礎原理を理解する。 
             (直流と交流,キルヒホッフの法則,正弦波の表現)[2章][小テスト3]
 4回 抵抗,容量,コイルの原理を理解する。
             (表現式,素子の働き)[3章][小テスト4]
 5回 正弦波の複素数表示を理解する。
             (ガウス平面,オイラーの公式,複素数表示)[3章][小テスト5]
 6回 インピーダンスの基本概念を理解する。
             (定義,線形素子のインピーダンス,位相)[3章][小テスト6]
 7回 インピーダンスを使って電気回路の特性を計算する。
             (色々な回路のインピーダンスを計算,位相)[3章][小テスト7]
 8回 等価回路の概念と作り方を理解する。
             (鳳─テブナンの定理,重畳の理)[2章][小テスト8]
 9回 中間試験  
             (2週〜8週の内容について試験)
10回 半導体の基本構造を理解する。
             (絶縁体・導体・半導体のバンド理論による分類,n型とp型のイメージ)[4章][小テスト9]
11回 pn接合における整流作用の原理を理解する。
             (バンド図の解釈,フェルミレベル,降伏現象,整流回路)[4章][小テスト10]
12回 バイポーラトランジスタの動作原理を理解する。  
             (構造,バンド図による解釈,キャリアの動き)[4章][小テスト11] 
13回 トランジスタのスイッチ作用を理解する。  
             (基本回路,NOT回路,NAND回路)[4章][小テスト12]
14回 ディジタル信号とアナログ信号の関係を理解する。講義のポイントをまとめる。
             (サンプリング定理,量子化)[1章][小テスト13]
15回  まとめの試験
             (2週〜14週の内容について試験)
 
教科書及び教材
柳沢 健 著「電子情報工学概論」,共立出版  
他に適宜,補助テキストまたはプリントを配布する。 
参考書
○電気電子工学の分かり易い本
見城尚志,「図解・わかる電気と電子」,講談社ブルーバックス
藤村哲夫,「電気発見物語」,講談社ブルーバックス
加藤肇 他,「図解・わかる電子回路」,講談社ブルーバックス

○より発展した電気回路と演習書
榊米一郎他,「電気回路」,オーム社
喜安善市,斎藤伸自,「電気回路」,朝倉書店
佐藤利三郎,池田哲夫,「電気回路学演習上」,丸善
成田誠之助,小林ひと史,「電気回路理論 基本問題演習を中心として」,昭晃堂

○電気回路に関する数学
一石 賢,「道具としての物理数学」,日本実業出版社
長沼伸一郎,「物理数学の直観的方法」,通商産業研究社
畑村 洋太郎,「直観でわかる数学」,岩波書店

○半導体と電子回路関係
伝田精一,「わかる半導体セミナー」,CQ出版
安藤繁,「電子回路」,培風館
シリング,ビラブ,「トランジスタとICのための電子回路I」,マグロウヒル

○計算機と電子回路
A.W. Biermann, 和田英一監訳,「やさしいコンピュータ科学」,アスキー出版
梅津信幸,「あなたはコンピュータを理解していますか?」,技術評論社
成績評価方法
中間試験,まとめ試験A, まとめ試験Bで成績を評価する。 
中間試験を30点。
まとめ試験Aを70点,まとめ試験Bを70点とする。
まとめ試験Aとまとめ試験Bのよい方と中間試験を合計し,60点以上を合格にする。
履修条件等
13回講義の最後に小テストを行う。小テストではその日に講義した内容を問う。
小テストを10回以上提出することが,成績評価の条件である。
教官からのメッセージ
計算機システムを構成するハードウェアは電気回路と電子回路からできています。したがって,電気回路と電子回路の動作を理解することが,計算機システムを操作するうえで必須です。これらの基礎をこの科目で学びます。
この科目は,次に続く「線形システム論」「電子情報回路」「組込みシステム」の基礎になります。
その他