科目概要

対象年度
2005
教育課程名
夜間コース 主専門教育課程 学科別科目
授業科目名
機械材料学
Subject Name
Materials Science for Machine
単位数
2
必修・選択の別
選択
対象学科・学年
機械システム工学科 3年
開講時期
後期
授業方法
講義を主体とし,必要に応じて簡単な実験を行う場合もある.
担当教員
田頭 孝介(機械システム工学科・生産基礎工学講座) 

教員室番号
B−310 

連絡先(Tel)
5319
連絡先(E-Mail)
tagasira@mmm.muroran-it.ac.jp


シラバス

授業のねらい
機械材料は,その固有の性質を熟知し,機械・装置の適所に使ってこそ真価を発揮する.新素材ブームの昨今ではあるが,本講義では機械材料の中で多用されている鉄鋼材料に絞り,その基本的性質の理解に重点を置く.内容を材料物性に関連づけながら,どうすれば金属は強くなるのか,なぜ金属材料は破断せずに塑性加工できるのか,などについても理解を深める.ただし,数理的な解析については省略する.具体的には,以下の順序で講義を行う.履修に当たっては,高等学校の物理学と化学の教科書を読み直すことを勧める.
授業の目標
1.金属材料の結晶構造と格子欠陥を理解できる.
2.原子の拡散と平衡状態図を理解できる.
3.金属材料の塑性変形を転位の移動で説明できる.
4.炭素鋼の熱処理後の組織と機械的性質の関係を説明できる.
5.疲労破壊やクリープ破壊を実際の機械部品に対比できる.
6.機械を設計するとき適切な材料と熱処理を指定できる.
授業計画
第1週:金属結晶構造,

第2週:合金とは,変態,

第3週:金属の固体拡散

第4週:相律,平衡状態図 1

第5週:平衡状態図 2

第6週:格子欠陥,塑性変形,

第7週:転位の性質1, 

第8週:転位の性質2,

第9週:回復と再結晶

第10週:炭素鋼の変態 

第11週:炭素鋼の熱処理1--焼なまし 

第12週:炭素鋼の熱処理2--焼入れ/焼もどし 

第13週:疲労破壊, 

第14週:クリープ破壊 

第15週:身近な話題から(自動車ボディ用鋼板の性質,日本刀の組織,など) 

教科書及び教材
矢島他5名共著:第2版 若い技術者のための機械・金属材料
丸善(2002).

必要な教材・資料は授業中に配布する.
参考書
(いずれも付属図書館蔵) 

(1)高橋、浅田、湯川:金属材料学(第3版) 森北出版(1989)
(2)阿部秀夫著「金属組織学序論」 コロナ社(1975)
(3)幸田成康著「金属物理学序論 改訂版」 コロナ社(1985) 
(4)機械設計便覧(第3版) 丸善(1992)
成績評価方法
60点以上の者を合格とする.
成績は定期試験(筆記試験)90%,レポート10%の割合で評価する.
なお.70%以上出席していない者は受験資格を失うので注意すること.試験は,電卓,ノート(コピーを貼付けたものでも良い),教科書,
参考書1冊(但し図書館の蔵書は認めない)の持ち込みを許す.
不合格者に対しては,定期試験と同じ条件で再試験を行う.
履修条件等
70%以上出席していない者は受験資格を失うので注意すること.
教科書は試験にも使うので必ず各自用意すること.
教員からのメッセージ
機械材料学の勉強は,理系の学生にとって得意な数式や計算を使わぬことが多いので,ややもすると予習や復習が疎かになりがちだが,将来機械系の技術者として仕事するとき,必ず必要になります.頑張ってください.
その他