対象年度 | 2004 |
教育課程名 | 博士前期課程 共通科目 |
授業科目名 | 数理科学特論A |
Subject Name | Advanced Mathematical Science A |
単位数 | 2 |
必修・選択の別 | 選択 |
対象学科・学年 | 全専攻1年 |
開講時期 | 前期 |
授業方法 | 講義 |
担当教官 | 桂田英典 |
教官室番号 | N461 |
連絡先(Tel) | 46-5804 |
連絡先(E-Mail) | hidenori@mmm.muroran-it.ac.jp |
授業のねらい | 誤り訂正符号(Error Correcting Codes)について講義する。誤り訂正符号とはおおざっぱにいうと、通信文が通信途中のノイズによって誤って受信された時にいかにして元の正しい文に訂正できるかを研究するものであり、工学にとって重要であり、数学的にも興味深いものである。実際、誤り訂正符号はコンパクトディスク等にも利用されている。この講義では、抽象代数(有限体およびその上のベクトル空間)を基礎として、その一端を紹介する。さらに時間があれば整数論との関係についても述べる。 |
授業の目標 | (1)誤り訂正符号が何であるかを理解し、いくつかの具体的な場合に符号の誤り訂正を行うことができる。 (2)抽象代数の取り扱いに慣れ、工学の具体的問題に応用する力を養う。 |
授業計画 | (1)最初の2回の講義で2元体上のベクトル空間の一般論を述べ、誤り訂正符号とは何かを例を挙げて説明する。 (2)誤り訂正符号理論にとって重要ないくつかの概念(症候復号、完全符号、双対符号、符号の重み等)を説明する。 (3)ハミング符号について詳述する。 (4)有限体に関するやや詳しい議論を数回行い、(5)以降の準備とする。 (5)2重誤り訂正Bose-Chaudhuri-Hocquenghem符号(BCH符号)について詳述する。 (6)(5)の一般化である巡回符号について詳述する。 (7)時間に余裕があれば次の内容にについてその概要を説明する。 (7−1)符号理論と2次形式との関係、特にパチンコ玉による空間の埋め尽くし問題(Sphere packing problem)との関係。 (7−2)有限体上の代数曲線とGoppa符号。 |
教科書及び教材 | ヴェラ・プレス 「符号理論入門」ワイリー・ジャパン(啓学出版) (図書館所蔵) |
参考書 | 講義時に説明。 |
成績評価方法 | 数回のレポートにより行う。 |
履修条件等 | 講義では、基礎的なことから始めるの特に予備知識は必要ないが、群、環、体などの代数の知識・素養があれば講義がよりよく理解できるものと思われる。 |
教官からのメッセージ | 一昔前まで工学に役に立たないと思われていた抽象代数学や整数論は、今や現実の多くの問題(符号理論、暗号理論)に実に有効に利用されています。その一端をご紹介できればと思います。 |
その他 | |