対象年度 | 2004 |
教育課程名 | 博士前期課程 専攻別科目 |
授業科目名 | 磁性物理学 |
Subject Name | Physics of Magnetism |
単位数 | 2 |
必修・選択の別 | 選択 |
対象学科・学年 | 材料物性工学専攻2年 |
開講時期 | 前期 |
授業方法 | 講義 |
担当教官 | 近澤 進(CHIKAZAWA, Susumu)(材料物性工学専攻・物理工学講座) |
教官室番号 | K602 |
連絡先(Tel) | 46-5618 |
連絡先(E-Mail) | chika@mmm.muroran-it.ac.jp |
授業のねらい | 物質の示す巨視的な磁性を微視的な立場から理解することを目標とする。 理解を深めるため関連するトピックの紹介や問題(レポート)を提示する。 |
授業の目標 | (1)磁性の概要を学ぶ。 (2)原子磁気モーメントの起源を量子力学的観点から理解する。 (3)固体中の原子やイオンの磁気モーメントを計算できるようにする。 (4)磁気モーメント間に働く交換相互作用を理解する。 (5)結晶構造と磁気モーメントの配列を理解する。 (6)磁気相転移の最も簡単なモデルである分子場理論を理解する。 (7)スピンの集団運動であるスピン波を理解する。 (8)微視的測定法である、磁気共鳴、中性子回折、メスバウア効果を学ぶ。 (9)金属中の伝導電子の磁性を理解する。 |
授業計画 | 週 授 業 内 容 1 ・磁性体の概要 ・磁性体の分類 ・電磁気学の単位系 2 ・磁気測定の方法 ・磁性体の熱力学 3 ・電子のスピン ・磁気モーメントをもたない原子 4 ・磁気モーメントをもつ原子 ・常磁性 5 ・結晶場による角運動量の消失 ・角運動量の消失の機構 6 ・結晶場の求め方 ・高スピン状態と低スピン状態 ・Jahn‐Teller効果 7 ・交換相互作用 8 ・磁気モーメントの秩序状態 ・ハイゼンベルグモデル ・エネルギー極小のスピン配列 ・結晶構造とスピン配列 9 ・有限温度の秩序状態と強磁性体の分子場理論 10 ・反強磁性体の分子場理論 11 ・フェリ磁性体の分子場理論 12 ・スピン波ースピンの集団運動 13 ・磁気共鳴 ・中性子回折 ・メスバウア効果 14 ・伝導電子の磁性 ・パウリ常磁性 ・ランダウ反磁性 15 ・金属の秩序磁性 |
教科書及び教材 | 教科書は用いない。プリントを配布する。 |
参考書 | 金森順次郎著「磁性」(培風館) 安達健五著「化合物磁性 局在スピン系」(裳華房) 小口武彦著「磁性体の統計理論」(裳華房) 太田恵造著「磁気工学の基礎I、II」(共立全書) |
成績評価方法 | 授業中に出題する課題のレポート(50点満点)、と最終レポート(50点満点)の結果を総合して、60点以上を合格とする。 |
履修条件等 | 「量子論」を学んでいることが望ましい。 レポート課題はインターネットを使えることを前提としている。 言語は問わないが、簡単なプログラムを作成できることが望ましい。 |
教官からのメッセージ | 講義は磁性の基本的な理解を中心としたもので、内容はかなり難しいが、毎回講義と関連するトピックを提供する。 (トピック題目:磁気学の単位、強磁場への挑戦、有機強磁性体、変圧器の歴史、高勾配磁気分離、結晶構造ソフト、スピンラダー、Mn酸化物の磁性、世界最強の永久磁石、モンテカルロ・シミュレーション、磁性流体、NMRで何が分るか、磁気光学の最前線、スピンエレクトロニクス−GMRを越えて) |
その他 | |