科目概要

対象年度 2004
教育課程名 博士前期課程 専攻別科目
授業科目名 超伝導物性学
Subject Name Superconductivity
単位数 1
必修・選択の別 必修
対象学科・学年 材料物性工学専攻1年
開講時期 前期
授業方法 講義
担当教官 永田正一 (NAGATA, Shoichi)(材料物性工学専攻)
教官室番号 K-603
連絡先(Tel) 0143-46-5612
連絡先(E-Mail) naga-sho@mmm.muroran-it.ac.jp


シラバス

授業のねらい   超伝導現象は巨視的に量子化された電気的性質と磁気的性質の
特異な結びつきである。この超伝導を統一的に理解するため、多
体系の量子力学に基礎をおく電子対凝縮に関する理解に迫る。

授業の目標   超伝導の研究は大きく分けて以下の三つに分類される。
(1)より高温で超伝導現象を起こす超伝導体の発見 [超伝導物質]
(2)超伝導発現の機構(メカニズム)の解明      [機構解明]
(3)超伝導の実用・応用の探求           [応用]
本講義では上記三点の全般にわたる。

授業計画 (1)序: 超伝導研究90年余りの歴史的背景
(2)超伝導物質: 単元素、合金、金属間化合物、有機物、酸化物、
               硫化物、その他
(3)抵抗率の温度変化: 絶縁体、半導体、半金属、金属、超伝導体
(4)超伝導体の臨界温度、臨界磁場、臨界電流
(5)完全導体と超伝導体の違い
(6)マイスナー効果、ロンドン方程式、磁場侵入長
(7)磁化曲線
(8)第一種超伝導体と第二種超伝導体
(9)臨界電流: 第一種超伝導体と第二種超伝導体の違い
(10)混合状態
(11)BCS 理論: クーパーペアとは何か
(12)BCS 理論: エネルギーギャップ、コヒーレンス長
(13)ジョセフソン効果: 超伝導体の弱接合
(14)磁束の量子化
(15)超伝導の応用: パワーエレクトロニクス、クライオエレクトロ
                  ニクス
(16)超伝導の応用: 磁気浮上リニアモーターカー
(17)超伝導の応用: 超伝導量子干渉計、脳磁計・心磁計

教科書及び教材
参考書 (1) ローズ-インネス、ロデリック著 (島本 進、安河内 昴 訳)
  「超電導入門」産業図書出版、 定価3500円
(2) 村上 雅人 著 
   「高温超伝導の材料科学」内田老鶴圃出版、 定価3600円
(3) 長岡洋介 著
   「極低温の世界」岩波書店 

成績評価方法 レポートを評価する。
履修条件等 量子力学、電磁気学の基礎学力を必要とする。
教官からのメッセージ
その他