対象年度 | 2004 |
教育課程名 | 昼間コース 副専門教育課程 コース別科目 |
授業科目名 | 認識の諸形式 |
Subject Name | Forms of Knowing |
単位数 | 2 |
必修・選択の別 | 選択 |
対象学科・学年 | 全学科2年 |
開講時期 | 後期 |
授業方法 | 講義 |
担当教官 | 二宮 公太郎(NINOMIYA, Kimitaroh) (共通講座・<人間・社会科学講座>) |
教官室番号 | N−351 |
連絡先(Tel) | 0143-46-5822 [オフィスアワーは、時間割決定後にお知らせします。] |
連絡先(E-Mail) | ninom@mmm.muroran-it.ac.jp |
授業のねらい | 哲学的なものの考え方のモデルとして、近世哲学を拓いたデカルトの主著『省察』から、その形而上学認識論を講義する。 また、これと対比する意味で、現代の認識論を代表するフッサールの現象学について、その基本的な骨格を講義する。 |
授業の目標 | 1.デカルトの『省察』から、論理の展開の仕方を学ぶ。 2.フッサールの現象学から、認識の基本的な構造を知る。 3.両者を通じて、哲学的なものの考え方を追体験し、それに馴染む。 |
授業計画 | 初回 授業全体の概要 * デカルトの『省察』【10回程度】 ○「方法的懐疑」 ○「私は考える。ゆえに私は存在する。」 ○ 神の存在(第一証明・第二証明) ○ 神の誠実(明晰・判明性の規則) ○ 存在証明に対する批判(循環論証、フォイエルバッハ、カント) ○ 判断の構造 ○ 誤謬の原因 ○ 数学的真理の存在 ○ 神の存在(第三証明) ○ 存在証明に対する批判(カント) ○ 心身の実在的区別 ○物体(身体)の存在 ○心身の結合 ○[時間があれば]デカルト哲学の構造 * フッサールの現象学【4回程度】 ○ 入門―――知覚の場面で ○ 発生的現象学―――「射影」と「地平」、時間意識と「生きた現在」、身体性と「キネステーゼ」 ○ <ノエシス−ノエマ>分析―――「統握」と「意味の核」、「定立」と存在、真理と明証 ○ 作用性格と「基づけ」関係―――表象・感情・意志・表現 ○ 現象学の方法―――「還元」 |
教科書及び教材 | 二宮著『《私》の哲学史――近世アプリオリズムの認識論・倫理学入門――』第一章分冊、500円 二宮著「フッサール哲学早分り」(『室蘭工業大学紀要』第52号抜刷)、コピー配布 |
参考書 | デカルト参考書は数多く、図書館にも豊富である。特にお薦めのものだけを挙げる。 * デカルト入門書として――― ○所雄章『デカルト』勁草書房(1980) ○小泉義之『デカルト=哲学のすすめ』講談社(1996) * デカルトをさらに深く学びたいという人のために――― ○桂寿一『デカルト哲学とその発展』東京大学出版会(1978) * フッサールおよび現象学に関して以下を挙げる。何れも本学図書館に在る。 * 入門のためには次の二著を薦める。少し難しい箇所も在るが挑戦するとよい。 ○加藤精司『フッサール』(<人と思想>72)清水書院(1983)[図書館に5部] ○新田義弘編『フッサールを学ぶ人のために』世界思想社(2000)[図書館に3部] * フッサールを更に深く学びたいという人のために、私が特に良著と思うものとして――― ○新田・常俊・水野編『現象学の現在』世界思想社(1989) ○R.ベルネ等著、千田・鈴木・徳永訳『フッサールの思想』哲書房(1994) * 現象学に関して問題ごとに何かを調べたいというときには――― ○木田・滝浦・立松・新田編『講座・現象学』全4巻、弘文堂(1980) ○木田・野家・村田・鷲田編『現象学事典』弘文堂(1994) |
成績評価方法 | 学期末のレポートによる。 デカルトないしフッサールに関して、授業をまとめ、さらに自分の考えを論ずる、ということを課題とする。ポイントをよく把握しているか、どれだけ自分の頭で考えているか、によって評価する。 |
履修条件等 | 特になし |
教官からのメッセージ | 哲学から人間の認識を考察するとき、<我々は常に意識の内に生きている>ということの洞察が出発点となる。学生諸君には、何よりもこのことを実感してもらいたい。 |
その他 | |