対象年度 | 2004 |
教育課程名 | 夜間コース 副専門教育課程 共通科目 |
授業科目名 | 憲法 |
Subject Name | Constitutional Law |
単位数 | 2 |
必修・選択の別 | 選択 |
対象学科・学年 | 全学科1年 |
開講時期 | 後期 |
授業方法 | 講義 |
担当教官 | 奥野恒久(Tunehisa Okuno) |
教官室番号 | N-657 |
連絡先(Tel) | 0143-46-5821 |
連絡先(E-Mail) | okuno@mmm.muroran-it.ac.jp |
授業のねらい | 最近、改憲論が主張されているのはご存知でしょう。日本国憲法を「改正」しようというのですが、そもそも日本国憲法は、どのようなメッセージを発しているのでしょうか。本講義では、歴史的に培われてきた憲法理論、裁判所の出す判例、専門の研究者による学説、さらには人々の運動などを参照しつつ、日本国憲法の意義について考えていきます。 |
授業の目標 | 第一に、憲法とはどのような法で、近代立憲主義とはどのような考え方なのかを前提として身につけていただきます。 第二に、近代から現代への歴史発展のなかで憲法というものがどのように変遷していったかを理解していただきます。 そのうえで第三に、基本的な理論や学説、判例を知り、たとえば首相の靖国神社参拝や自衛隊のイラク「派遣」など個々の憲法問題について考え、自分の立場を主張できるようになっていただきます。 そして最後に、現在進行中のいわゆる「新自由主義」政策について検討していただきます。 |
授業計画 | 1.憲法と立憲主義 P.1〜9 近代立憲主義、近代憲法と現代憲法 2.憲法を基礎づける思想 P.138〜139 自由主義と民主主義、権力分立、議院内閣制と首相公選制 3.日本の裁判制度と違憲審査制 P.142〜150 付随的審査制と抽象的審査制、統治行為論、裁判員制度 4.日本国憲法の制定過程 P.10〜13 明治憲法と日本国憲法、「押し付け憲法論」、八月革命説 5.人権尊重主義と人権の限界 P.26〜43 個人主義、人権の分類、「公共の福祉」、新しい権利 6.法の下の平等 P.44〜51 尊属殺重罰規定、女性の再婚禁止期間 7.信教の自由と政教分離 P.54〜58 目的効果基準、津地鎮祭訴訟、首相の靖国神社参拝 8.表現の自由 P.60〜69 二重の基準論、わいせつ文書規制、表現の自由とプライバシー 9.経済的自由 P.69〜77 「規制緩和」、小売市場判決、積極・消極目的区分論 10.生存権 P.99〜105 自由権と社会権、生存権の法的性格、朝日訴訟、堀木訴訟 11.日本国憲法の平和主義 P.161〜167 平和的生存権、9条をめぐる学説と判例 12.平和主義の現状 P.167〜170 日本の再軍備、有事法制、自衛隊の海外「派遣」 13.国民主権と国民代表 P.119〜125 ナシオン主権とプープル主権、象徴天皇制 14.選挙と選挙運動をめぐる諸問題 P.132〜136 議員定数不均衡問題、選挙運動規制 15.地方自治と民主主義 P.126〜129 市町村合併、住民投票、外国人の地方参政権 |
教科書及び教材 | 平野武ほか『基礎コース憲法』(晃洋書房、2004年)、2200円。毎回、レジュメを配布します。必ず、六法などで、日本国憲法の条文をすぐに見れるようにしておいてください。 |
参考書 | 憲法研究所・上田勝美編『日本国憲法のすすめ』(法律文化社、2003年)、2400円。 浦部法穂『全訂・憲法学教室』(日本評論社、2000年)、3700円。 辻村みよ子『憲法・第二版』(日本評論社、2004年)、3800円。 |
成績評価方法 | 基本的には、学期末試験で評価します(100点)。ただ、質問や感想を聞く、あるいは理解を促す意味から、講義中にミニレポートを課してその得点を加算する予定です。 |
履修条件等 | 「これを機会に憲法について興味を持ちたい」という人に、履修してもらいたいものです。 |
教官からのメッセージ | 担当者は、講義に全力投球することを約束します。どうか、受講生の皆さんも、この講義で何かを得たい、という意欲を持って前向きに参加してください。また、新聞などを通じて、社会に問題意識を持ち続けてください。 |
その他 | |