The Center for Creative CollaborationMURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

構造物減災リサーチラボ

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構造物の力を分析、復活させて、街を守る。
地震・津波・豪雨・火山噴火など、国内でも自然災害が猛威をふるい、激甚化がみられます。ラボでは、北海道をはじめとする積雪寒冷地の構造物に着目。構造物に広く使われているコンクリートは、凍結融解作用と呼ばれる現象により劣化し、耐久性、耐震性が低下する懸念があります。建築構造学、土木構造学、基礎構造の研究者がタッグを組み、より合理的に構造物を利用できるよう,課題解決に取り組んでいます。

重要な被害を想定して予防へ

減災に必要となる、被害想定。過去の災害事例をひも解き、将来的に予想される地震で地域の建物がどの程度倒壊するかがわかれば、あらかじめ備えることで被害を減らせるかもしれません。

画像解析やAIで被害レベルを予測

ラボでは、地震被害調査やGoogleストリートビューを元に、北海道胆振東部地震前後の画像、さらにAIを使用し解析に着手。どのくらい揺れるかの数値データ、建築年代、建物の開口率の観点から、約7割の建物で、被害レベルの推定に成功しました。これらを発展させ、地域全体の被災率の算出や個別の建物の評価、さらに都市計画などにもつながり、他のラボとの連携も視野に研究しています。

構造物に元の力を

SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる17の目標のうち、住み続けられるまちづくりの観点から、防災減災に主眼を置いています。すでにある公共や民間の構造物をどう補修して、元の耐力に戻すか。特に積雪寒冷地における鉄筋コンクリートの凍害の課題に、地域の視点で取り組んでいます。
構造実験の様子:近年の大規模な地震では,鉄筋コンクリート造非構造壁の損傷被害が大きな問題となっている。この写真は,非構造壁の損傷量を定量評価するために実施した実験の一例である。
実験のシミュレーション:構造実験の結果をより詳細に評価するために,非線形有限要素解析等を用いて,コンピュータ上で破壊過程や損傷状況を再現する。
構造物の地震被害調査:この写真は,2018年に起きた北海道胆振東部地震の建物被害の一例である。地震による構造物被害を詳細に把握し精査することで,今後の地震減災につながるよう,研究を行っている。
AIを用いたコンクリート粗面の評価(補修技術へ応用):AI(人工知能)は,近年,様々な分野で適用されている。本研究は,AIを使ってコンクリート補修面を正当に評価できるか試みたものである。この他にも,構造分野において,AIを有効に活用できないか検討している。